与論島の野鳥 No71 「聞きなし」 | さすらいの風来簿

与論島の野鳥 No71 「聞きなし」

「広報よろん」 平成7年(1995年)9月28日発行 第208号

 

 

 

・ブッポウソウ

     科

        方言名:

 

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野鳥の鳴き声を言葉で表すことを『聞きなし』と言う。


ウグイスの「ホーホケキョ(法華経)」やコジュケイの「チョットコイ(ちょっと来い)」、コノハズクの「ブッポーソー(仏法僧)」などが一般的によく知られている。

 

 


『聞きなし』は鳴き声を覚えるのにけっこう役に立つ。

ホトトギスは「トッキョキョカキョク(特許許可局)」。

 

 


ツバメは「ツチクッテ ムシクッテ シブーイ (土食って虫食って渋ーい)」。


メジロは「チョウベー チュウベー チョウチュウベー(長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛)と聞きなす。


与論島で聞くことはないが、フクロウの「五郎介ホーホー」や、ホオジロの「一筆啓上つかまつりそうろう」、イカルの「お菊二十四ィー」、センダイムシクイの「焼酎一杯ぐいー」なんていうのもある。


鳴き声がそのまま鳥名になった例もある。
「カッコー」と鳴くカッコウ。

 


 

「ジュウイチー」と鳴くジュウイチ。

 

 


「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴くヒヨドリ。
ちょっとひねったところでは、「ポポ、ポポ」と鳴くのが筒を叩くような声なのでツツドリ。

 

 


「ピリリリー」と鳴くから、山根は小粒でぴりりと辛いにかけてサンショウクイ(山椒食い)などがある。

 


 

『聞きなし』で常に話題になるのが、サンコウチョウ。


鳴き声を「ツキ ヒー ボシ(月日星)・ホイホイホイ」と聞きなして月と日と星の3つの光りという意味で、三光鳥という名前が付いた。

 


 

「戦争中は、徴兵検査というものがあって、ちょうどそれがある頃には、あっちの薮、こっちの薮で、盛んにギーギーチー、プイプイプイと鳴いていたから、それをチョウヘイレイ(徴兵令)プイプイプイ、と言って聞いていたんだが、最近はあまり鳴かなくなった」、と野鳥や蝶の観察で私がよく行くフィールドの近くに住んでいる方が話してくださった。


野鳥のこと、島の自然のこと、昔のこと、いわれなど、お会いするたびに、興味深い話しがいろいろ聞けて、楽しい方である。


勘違いで名前が付いてしまった鳥がいる。

 

「ブッポーソー(仏法僧)」と鳴くのを聞いてつけられたのがブッポウソウだが、後になって(昭和10年頃)その声の主はコノハズクであることが判明した。

 

 


ブッポウソウは「ゲッゲッ」と鳴く。

 

 


今年の9月7日、西区の当たりで2羽確認した。
渡りの途中、立ち寄ったものと思われる。


翌日以降、見られなかった。ヨロン野鳥友の会としては、島では初記録である。
                                               (ヨロン野鳥友の会)                                          

 

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