与論島の野鳥 No68 チュウサギ | さすらいの風来簿

与論島の野鳥 No68 チュウサギ

「広報よろん」 平成7年(1995年)5月29日発行 第205号

 

 

 

・チュウサギ

     サギ科

        方言名:

 

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今、サギが見ごろ。


アマサギ、コサギ、チュウサギ、ダイサギと、シラサギ類がそろっている。


冬の間、白一色の衣装を身につけていたシラサギ達が、繁殖期が近付くにつれて夏羽に衣替えをした。


それぞれに特徴がはっきりしてきて、幾分か見分けやすくなっている。


最も顕著な特徴が現れるのがアマサギだ。


冬羽では全身白いが、夏羽になると頭から背中にかけてオレンジ色の飾り羽が出る。


キビ畑や草地などに群れでいることが多く、全長(体をまっすぐ伸ばした状態でくちばしから尾の先までの長さ)は50.5センチ、シラサギの中では最も小さい。


他のシラサギ類に比べて首が短いのも特徴のひとつである。


この時期、島で見られるシラサギのほとんどはこいつらだ。


コサギ、チュウサギ、ダイサギの3種は、水田や海岸等の水辺の周辺にいることが多く、形はよく似ているが、大きさが違う。


コサギは全長61.5センチ、アマサギぐらいの大きさで首が細くて長い。夏羽では頭の後ろから二本の長い羽が出る。


コサギより一回り大きいのがチュウサギで、全長は69.5センチ。
もっと大きければダイサギである。


全長は90センチ。・・・・・・と言っても単独でいると比較のしようが無い。


そんな時は首を見る。


やたら細くて長ければダイサギ、「やたら」と言うほどではないと感じればチュウサギと思ってほぼ間違いない。


5月の半ば、立長の辺りでヒルガオ科の植物に覆われたガジュマルの木の上で、チュウサギが餌を漁っていた。


水辺でやるように、そーっと近付いて素早く首を伸ばして餌を捕らえていた。


10分ほど眺めていたが、その間にトカゲかカナヘビのようなものを2匹、キリギリスのような昆虫を1匹、飛んできたアサギマダラ(蝶)1匹を捕らえて食べた。


トンボとアオスジアゲハ(蝶)は失敗した。


小動物なら何でも食ってしまおうか、という勢いで、けっこう貪欲である。


先日、サギを見るつもりで古里の農道を車で走っていたら一匹の猫に会った。


背を低くして抜き足差し足でゆっくり道路を横断していた。


道の端まで来ると牧草目掛けて勢いよく飛び掛かって行った。


狙われたのはセッカ(ぎーき)。


ひょいとかわして少し離れた穂の先で「ヒ、ヒ、ヒ」と鳴いた。
そして猫は消えた。


飛び込んで行った辺りを覗いたら深さ50センチ程の溝があった。


猫の姿はなかった。
                                               (ヨロン野鳥友の会)                                          

【参考】  

 

 

 

 

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