与論島の野鳥 No60 チュウサギ | さすらいの風来簿

与論島の野鳥 No60 チュウサギ

「広報よろん」 平成6年(1994年)4月19日発行 第194号

 

 

 

・チュウサギ

     サギ科

        方言名:

 

  写真がないので映像です。

 

 

            

今年パソコン通信の野鳥フォーラムでは「冬鳥異変」が合い言葉のように使われていた。


冬鳥の渡来が遅れている、ツグミが少ない、極地的にアトリの大群が現れた、といった情報が連日のようにアップされていた。


島でもシロハラ(スー)やアオジが異常に少なかったのが気になる。


先日、用事があって出かけたら、先方の都合で待ち時間が一時間ほどできてしまった。


出直すのも面倒くさいし、これ幸いと近場を回ってみた。


車を出してすぐ、いきなり今期初認のヤツガシラが目の前をひらひら通り過ぎて行った。
そろそろ来る頃と気になっていた奴で、幸先がいい。


モクマオウ林ではツミが巣作りをしていた。
雄が枯れ枝を食いちぎろうと頑張っていたが成功しなかった。
2、3本の枝に挑んだ後、近くの枝に降りてきた。


そばを通り抜けたが動ずる様子はなかった。
振返ると右足あげて頭なんぞを掻いていた。大した奴だ。
今年はこいつと付き合ってみようか。時間があれば。


見晴らしのいい高台にあがるとリュウキュウツバメが飛び交っていた。


双眼鏡で見るとイワツバメとコシアカツバメが数羽混じっていた。
両種とも今期初認である。


しばらくコシアカツバメを追った後、双眼鏡から目を離しておどろいた。


ツバメの群れに囲まれていた。
50羽程の塊の中にすっぽり入った状態になっていた。
群れで移動していたようだ。
数秒間だったが、なんとも不思議な感覚だった。


平地にはサギがたくさんいる。
アオサギ、アマサギ、コサギ、チュウサギ、それにササゴイにゴイサギと今年は種類が豊富だ。


なかでもチュウサギが例年になく目立つ。


よくコサギが来ていた水辺にチュウサギがいたり、アマサギの群れに、数羽のチュウサギが混じっていたりする。


これも冬鳥異変だろうか。


友の会を始めた頃はチュウサギの割合は大きかったが、ここ数年全島でも数羽程度しか見られなくなっていた。


アマサギが主に畑や草地で餌を採るのに対し、チュウサギやコサギは水辺を好み海岸や水田で餌を採る事が多い。


「どうやって田んぼから追い払おうか考えているところだ」と、いつか知人が言っていた。


植えたばかりの苗を、踏んづけたり浮き上がらせたりするので困るとか。


元々彼らが生息していた池沼を人間が取り上げたのだから片隅ぐらいは彼らに提供してもいいじゃないか、という気もするが、今の米事情では、そうも言ってられないらしい。
やはり国産米が一番美味しい

                                               (ヨロン野鳥友の会)

 

:「国産米が一番美味しい」について

前年の1993年(平成5年)、日本では記録的な冷夏により米不足となった。政府が大量に輸入したタイ米は、日本人の嗜好や炊飯器を使用した調理に適合せず不人気であった。

 

 

 

 

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