与論島の野鳥 No56 カワセミ
「広報よろん」 平成5年(1993年)7月23日発行 第189号
・カワセミ
カワセミ科
方言名:
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先日、鹿児島へ行ってきた。
空港から市内へ向かう途中、数箇所でアマサギを見かけた。
アマサギが島からいなくなったのは6月の終わり頃。
お前らこんな所にいたのかと声をかけたくなる。
ツバメもたくさん飛んでいた。
律儀に渡瀬線を超えて繁殖に来ているようだ。
※トカラ列島の悪石島と小宝島の間を通る生物の分布境界線
夏の気候は島とそれほど差があるとは思えないが、これは習性というより、人間が勝手に境界線を引いたから仕方なく鳥たちがそれに従っているに違いない、などとつまらないことを考えながら眺めていた。
翌朝、会へ出席するため従弟に車で送ってもらったが、案の定ラッシュに巻き込まれてしまった。
暇つぶしに道路沿いの川を眺めていると、市街地の川にしては意外なほど多くの鳥が見られた。
ツバメ、キジバト、カラス、スズメ、ヒヨドリ、メジロ、上流の方へ飛び去っていくササゴイらしき鳥等。
「甲突川か?」と聞くと従弟は「知らん」と答えた。
冗談かと思ったら「聞かれたことも無いし、知らなくて不自由したことも無い」と訳のわからん事を言っていた。
川面に突き出た竹竿の先にカワセミが止まっていた。
「おい、カワセミがいるぞ」と教えてやったが、従弟は関心を示さなかった。
大学でロックバンドをやっていると言っていたが「ロックもいいが、少しは周りの環境にも目を向けろ。
だから川が汚くなるのだ」と訳のわからない会話が続く。
もう少しカワセミを見ていたかったが、こんな時に限って車の流れが良くなったりする。
カワセミは清流に住む宝石といわれる美しい鳥で、川の浄化とともに、最近市街地での観察例も増えてきている。
島では、春先と秋口に海岸や貯水池で見ることがある。
昨年の9月、古里にある貯水池に一羽来ていた。
池の上に突き出た木の枝で、時々ぴょこりと頭を上下させながら水面を伺っていた。
狙いが定まると、勢いよく水中に突っ込み魚をくわえて元の枝に戻って来た。
魚をくわえたまま嘴ごと枝に叩きつけてから丸ごと飲み込んだ。
昔は、畑の脇のため池の壁に、穴をほって子育てをしていたという話を聞いているが、私たちが調査を始めてからはまだ繁殖を確認していない。
近くの島から飛んできているのではないかと考えている。
カワセミはメジロより少し大きいぐらいの鳥で、嘴が長く背中は光沢のあるエメラルド色でお腹は鮮やかな橙色をしたきれいな鳥です。
頭が大きいわりに尾が短く、四頭身体形もチャームポイントだ。
(ヨロン野鳥友の会)
【参考】
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