与論島の野鳥 No49 ムナグロ | さすらいの風来簿

与論島の野鳥 No49 ムナグロ

「広報よろん」 平成4年(1992年)11月25日発行 第182号

 

 

 

・ムナグロ

     チドリ科

        方言名:

 

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冬を越すために北から渡ってくる鳥を冬鳥と言い、そのシーズン中初めて確認する事を初認と言う。


与論島でよく見られる冬鳥はおよそ20種。
まれに見られる種を入れると30種を越える。


周年棲息している留鳥が16種であるから、冬鳥にとっては重要な越冬地だ。


11月の初め、初認目当てで少しまわってみた。
7時頃から、迎えにきてくれたKさんと車でまわる。


さわやかな秋晴れの空をリュウキュウツバメが飛び回っていた。


ムナグロの群れが草地で餌を漁っている。


初認は8月30日。
その頃はまだ夏羽も混じっていたが今は完全に冬羽に変わっている。


夏羽は喉からお腹にかけて真っ黒で名前の由来もそこにある。


車の中からカメラで狙っていたら、セッカ(ギーキ)が目の前にひょいっと出てきた。
神経質そうに気にしながらも逃げようとしない。


しょうがないから、シャッターを切ってやったら満足したように草むらに飛び込んで行った。


海岸沿いのモクマオウ林にマヒワの群れがいた。
この秋初確認だが、越冬の記録が無いので数日だけの滞在と思われる。


ここにもあそこにもといった感じでサシバがいる。
ハヤブサの仲間のチョウゲンボウも各所で見かけた。
両種とも10月初めの初認以来よく見る。


農業用の貯水池にオシドリが3羽浮かんでいた。
別の貯水池にはコガモとカルガモがいた。


せっかく来てくれたのにこんな狭いコンクリート張りの貯水池しか無くて申し訳ないと謝りたい気分になる。


シギを見に海岸に行ったら工事中だった。


少し離れた岩の上に10羽程のムナグロが休んでいた。


湿地の減少や海岸の整備が進むにつれて、渡来数が減りつつあるシギやチドリのなかで、草地でも棲息しているムナグロは、比較的多くやって来る。


だいぶ前の事だが、Mさんがムナグロの定点観察をしていた時期があった。


それによると初認が8月の中旬で、翌年の5月末頃まで常時30羽前後が越冬し、多い時でおよそ70羽を数えている。
今でもその程度は来ているようだ。


サシバやシロハラ(スー)等とともに、代表的な冬鳥といえる。


11月中旬の時点で確認されている冬鳥は、およそ20種。
シロハラやツグミ、アオジ等もこれから入ってくる。


試しに、この冬何種類見つけられるか、休みの日にでも数えてみてはいかがだろうか。
                                               (ヨロン野鳥友の会)

 

 

 

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