与論島の野鳥 No34 ズアカアオバト | さすらいの風来簿

与論島の野鳥 No34 ズアカアオバト

「広報よろん」 平成2年(1990年)11月29日発行 第160号

 

 

 

・ズアカアオバト

     ハト科

        方言名:

 

                      :写真のコピー、ダウンロードを禁じます。

 

 

9月の初め、学術調査で来島された方を案内して野鳥の調査に同行した。


途中、電線に止まっている十数羽のズアカアオバトの群れに出会った。
通リ過ぎようとしたら「ちょっと待ってくれ」、と言われて車を止めると、「いいですねえ」とか言いながらさかんに写真をとっていた。


ズアカアオバトは、南西諸島以南に生息する鳥なので、よそからきた人には珍しかったのだ。


与論島ではキジバトやヒヨドリに次いでよく見られる、“お馴染みさん”なので、ついそのまま通りすぎようとしたのだ。
そういえば、数年前まではそう簡単にお目にかかれる鳥ではなかった。


“野鳥友の会”なるものを始めた頃、一日中歩き回っても会えないことがほとんどだったし、だからあの尺八の節回しに似た「ポーポーペポー」という寂しげな声でも聞こうもんなら、さっそく※印付きで、“ズアカアオバトが鳴いた!オォツ!!、ツーコーラス、ラッキー”などとフィールドノートに書き込んでいた。

 

 


それが今では「なんだオーバトゥか」、で通リすぎてしまうほどよく見かける。


常緑広葉樹のよく繁った森林に住む(と、図鑑には書いてある)鳥が、なぜ道端の電線に群がるほどになったのかわからないが、数が増えたのは確かなようだ。


ある種類だけが急速に増えるのは、自然環境が単純化しつつあることの現れだそうで、生態系にとって好ましいことではないとか。
与論島もそうなりつつあるのだろうか。

                                               (ヨロン野鳥友の会)

         注:ズアカアオバトをヨロンでは、「オーバトゥ(青いハト)」といいます。

 

 

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