与論島の野鳥 No31 ササゴイ
「広報よろん」 平成2年(1990年)5月31日発行 第155号
・ササゴイ
サギ科
方言名:
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アメリカには、釣りをすることで知られるアメリカササゴイという鳥がいる。
パンくずを拾ってきては水面に浮かべ、それを食べに来た魚をパクッとやるのだそうだ。
しかも同じパンくずを何度も浮かべ直すというのだから、明らかに魚を誘き寄せる為の餌として使っている事は間遅いないそうで、りっぱに、“釣りをしている”というのだ。
最近、日本でも同じ様な行動をするササゴイが観察されている。
たしか九州のどこかの公園の近くに住み着いているササゴイだったと思う。
テレビでも紹介されたことがあったが、何とこのササゴイ、パンくずではなく発泡スチロールの破片を使っていた。
つまり、疑似餌を使っているのだ。
アメリカササゴイが本物の餌を使うのに対し、日本のササゴイは疑似餌で釣りをする。
なにか最近の日米問題を象徴している様でもあり、意味深長な感がある。
ササゴイはニワトリぐらいの大きさで、与論島では秋から初夏にかけて水辺やその周辺で見られる。
昨年の2月から6月にかけて、ハキビナ海岸に一羽の若いササゴイが居ついていた。
何度か会いに行ったが、そいつはまだ、“釣り”を知らなかった。
那間のNさん宅には、庭の池で飼っているテラピアを狙う不届き物が、毎日やって来たそうだ。
なかなかユニークな鳥でもあり、機会があったらじっくり観察することをおすすめしたい。
(ヨロン野鳥友の会)
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