与論島の野鳥 No28 コミミズク
「広報よろん」 平成2年(1990年)1月12日発行 第151号
・コミミズク
フクロウ科
方言名:
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バードウオッチャー憧れの鳥のひとつコミミズク。
名前を聞いて「小さくて可愛いミミズクかな?」とお思いでしたら、とんでもない。
カラスより少し小さいぐらいの中型のミミズクで、金色の目をした猛禽(もうきん)なのだ。
頭上にある耳のような羽が小さい、つまり小さい耳のミミズクという意味である。
その小さい耳の中型の大きさのミミズクのコミミズクが来ている、と本会会員のMから連絡があったのは、11月の中ごろだった。
前回の渡来時に失敗しているだけに、今回は何としても接近したいと考えた。
コミミズクは夜行性なので昼間は隠れて休んでいるが、休息場所の見当はついている。
前回数個のペリット(コミミズクが吐き出した不消化物)があった崖っぷちの草むらだ。
双眼鏡で捜したらやはりいた。位置の確認だけして、翌日から接近作戦を実行した。
表情を双眼鏡で確認しながら少しずつ近づいていく。
目を開けて警戒したら立ち止まって無関心を決め込む。
ある程度近づいたら中止してさっさと引き揚げる。
これを繰り返すこと数日、ついに(地理的に)これ以上は近付けない距離、約4メートルまで接近することに成功した。
片目を少し開けて「またお前か」てな感じで警戒している様子はない。
お互いの間に信頼関係が成立したことを感じた。
その後ダンプが出入りするようになって姿を消したが、近くの草むらで見かけたとMから連絡があった。
今も夜な夜なネズミ退治に精を出していることだろう。
(ヨロン野鳥友の会)
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