外籠もり救出作戦

連中はどうやら青年の実家に電話をさせ、負けた金額を送金させる気らしい。

先に依頼人の実家に連絡を入れ、事情を伝えた。

お金は払うから息子の身の安全を保証して貰う様に話す事、それとタイに親戚が居るから直接お金を届けさせるからその時に息子を渡して貰う様に指示した。

連中が指示したお金の受け渡し場所は今居る雑居ビル1階の食堂だった。

調査員を親戚に見立てて送り込む。
取り敢えず髪は七三にし黒縁メガネを掛けさせ、いかにも気の弱そうな日本人を演出させた。

そしてすぐにタイ警察・日本大使館などに連絡を入れて要請を頼んだ。

1階でお金の受け渡しをしている中、賭博には警察隊が突入。
本職の警察が出ればあっさりと解決。

そして青年も無事救出された。

ついでに佐伯まで付いて来た。
宿までのタクシーには乗せず、ここで別の迎えが来るから待つ様にと伝えた。

タクシーの中、青年に経緯を話し一緒に日本に帰るよう話した。

彼は涙ながらにうなずいた。

そして青年は無事、旅の終着駅に着いた。



佐伯はそのまま放置したが、その後警察に共犯者と判断され翌日逮捕。
外籠もり救出作戦

一方外籠もりチームはと言うと・・・。

食事をした後、見るからに怪しげな雑居ビルに入って行った。

4時間後、青年と佐伯がビルから出て来た。

高揚した面持ちで会話をしながら歩いているので盗み聞きした所、ビル内でギャンブルをして持ち金が3倍に増えたらしい。

そして彼らはバーに入って朝まで飲み明かした。

翌日、自分も合流し調査を開始した。

例の雑居ビルの一室のドアにはトランプのスペードやハートのマークが貼ってある。
明らかに観光客用の賭博では無い。

察するにギャンブルで勝たせておいて次には大負けさせ身ぐるみ剥いでポイ捨てと、よくあるパターンである。

翌日も青年と佐伯はビルに入って行った。

4時間経過しても依然出て来ないので、様子を見に行った。

賭博の横にあったトイレに入りコンクリートマイクを使い中の様子を伺った。
(コンクリートマイクとは聴診器の様な物を壁や窓に当て、室内の音を集音する機械)

聞こえるのは怒号と泣き声。

青年に取ってもいい勉強になっただろう。

ところが身ぐるみ剥いでそれでおしまいでは無かった。
外籠もり救出作戦&賞金首を探せ

アパートのドアは鉄格子付のドアのになっていた。

ドアの隙間からファイバースコープを差し込んで中の様子を確認すると、山本とタイ人女性ともう1人タイ人男性が一緒にいた。

初めはノックしてドアが開いたら突入しようと思ったが、勝手に解錠させてもらった。

勢い良くドアを開け自分は真っ先に山本に飛び付いた。

警察と勘違いしたのか、タイ人男性は両手を上げ何かを喋っている。

一方女性は何故か、ソファーに横たわりボーッとしていた。

自分「山本○○さんですね?」

山本「お前ら何なんだよ!勝手に入って来て!」

自分「心当たりありますよね。金持ち逃げした件。もう観念して下さいよ。」

山本「お前ら何もんだよ。この野郎!」

自分「何もんかは後で教えます。」

暴れたので取り敢えず手を縛りイスに座らせ、すぐ事務所に連絡を入れた。

依頼人はすぐにタイに来るそうだ。

山本を日本に連れ戻そうかと思っていたが偽造パスポートの為、連れていくこっちにリスクがかかってしまう。

持ち逃げしたお金は多少使われていたが、ボストンバックに入っていた。

山本から話を聞くと、今回を最後に悪い事から足を洗ってタイで彼女と暮らしたかったらしい。
が、ソファーの前に置かれたテーブルには使い古した注射器・スプーン・ゴムチューブが金属性のケースに白い粉と一緒に納まっていた。

彼女は依然夢の中に居る様にニコニコと微笑みかけてきた。