平岩弓枝先生の作品です。
何十年も前の小説ですが、今読んでも違和感がなく、時代が変わっても、人は変わらないことを思わされます。
主人公のはるみは、五十歳の専業主婦。夫が突然死し、悲しみにくれる間もなく、なさぬ仲の息子に酷い仕打ちをされ……。
義弟や親戚の支えで立ち向かうも、遺産詐欺に遭いかけたり、亡夫の友人に、本気の求婚をされたり。
再婚か、独り身か、働くのか?
思わぬ選択を迫られたはるみは、なんと、夫の夢だったペンション経営を始めることを決意。
専業主婦が大丈夫かと心配されますが、甥や義弟の協力もあり、ペンションに向けて計画が動き出します。
はるみは大変ながら、働くことで得られる苦労や楽しさ、やりがいを知り、どんどん若返っていくよう。
その合間にも、親戚の若者の恋を心配したり、義弟夫婦にも問題が起きたり……。
年長者ならではの優しさや気づかいで、周りの若者たちをさりげなく見守るはるみは、皆の精神的支柱になっています。
若者たちも恋や夢にぶつかり、離婚の危機を迎える者も。
やがて軌道に乗ったペンションは、皆にとっての居場所になっていきます。そんな中でも、夫がここにいてくれたら……と思うはるみ。人生の後半戦を、力いっぱい泳いでいく女性の姿に、 勇気づけられます。