自転車の右側通行は、自転車にとってもこんなに危険 -自転車が怖い(1)- | 野良猫の目

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~本当は寝ていたい~

 

5年ほど前に運転免許証を返納して、もっぱら「歩行者専用」の身になってつくづく感じることは「自転車が怖い」ということです。

 

自転車が当たり前のように車道の右側を通行しているのをよく見ます。その中には、右側通行している自転車にとって危険と思うものがあります。おそらく自転車の利用者はそれを自覚していないのでしょう。

 

 

1.停車中の車を避けるために中央寄りに膨らむ右側通行の自転車、あわや自動車と正面衝突

 

6車線(片側3車線)の国道で、車道を右側通行していた自転車が、ガソリンスタンドに入るために停車中の自動車を避けようとして、道路の中央寄りに膨らみました。そこに、停車中の自動車の右後方から別の自動車が走ってきたのです。その自動車は咄嗟に右側に膨らむことで自転車との衝突を回避しましたが、その光景をみていて「あの自動車の右の車線にも車が走っていったらどうなったのだろう。」との思いが頭に浮かびました。

自転車は、何事もなかったように停車中の自動車の左側(←自転車から見て)を抜けて、国道を右側通行のまま走っていきました。この国道には自転車が走行出来る歩道があり、自転車が右側通行しなければならない理由などないのです。

 

自転車が道の左側を走っていれば、自転車は、その後方を走っている自動車の運転者の視界に入っています。そして、自転車の前に停車中の自動車があれば、運転者は「あの自転車は右に膨らむだろう」と予測し、その場の状況に応じて自車のスピードを落として先に自転車をとおすなり、右側の車線が空いていればそちらに車線変更するなりします。

しかし、右側通行で走る自転車が駐停車中の自動車の陰からで飛び出して来た場合には、自動車の運転者は、そのタイミングによっては自転車を避けようがないこともあるのです。

 

 

2.自転車の走行が認められていない歩道から降りて車道の右側を走行。そして左折する車両の内輪差を無視して自動車と歩道の間に突っ込む自転車

 

自転車の走行が認められていない歩道を歩いているとき、背後に自転車の気配を感じました。その自転車は私の後方で車道に降り、そのまま右側通行で走っていきました。ところがそのすぐ先の交差点では、大きな貨物自動車がこちら側に左折しようとしていたのです。

この自転車は、右側通行のまま、左折しようとしている貨物車の横に進んでいきました。そこで左折途中の貨物自動車が急停止。自転車は貨物自動車と歩道の間隔が内輪差で狭くなったところで停止を余儀なくされました。

右足を歩道の縁石に乗せて右側に傾いた自転車を支えながらも、自分からは決して動こうとしない自転車に乗っていた婦人の顔は怒っているように見えました。

きっとこの婦人は運転免許証も持っていないし、まして内輪差なんて知らないのでしょう。もしかすると、「貨物車が無理矢理曲がろうとした。」と怒っていたのかも知れませんね。私はその交差点で右折しましたので、その後どうなったのかは見ていませんでしたが、歩いていて、「あの人は自分がどんな危険なことをやっているか、死ななければ分からないのだろう。」と不謹慎なことが頭に浮かびました。

 

 

3.6車線(実質10車線分)の交差点を右側通行で走り抜ける自転車。右折車が気付かなければお陀仏

 

この交差点では、ときどきウーバーイーツの配達員の違法な右側走行を見ます。ところが、それより多いのが“普通の人”の危険な右側通行なのです。

 

現場の見取り図は下のようになっています。

 

 

 

④の歩道を走っている自転車が交差点の反対側に行こうとする場合には、①の歩道→②の歩道→③の歩道に沿って移動しなければなりません。ところが、多くの自転車が当たり前のように、⑤の赤線のとおり実質10車線分の国道を違法な右側通行で渡っていきます。その中には、父親と思しき自転車とその後を付いていく小学生と思しき自転車すらありました。「あの親父、自分の娘に何教えているんだ」というのは私の心の声。道路を走る以上、第一に教えるべきは「安全」でありそのたの交通ルールだと思うのですが。

 

この交差点は当然に⑥の青線のように左側通行で走る自動車や自転車があるので、それらの自動車や自転車が、交差点の中程で混戦状態ですれ違います。それこそ「いつ事故が起きても不思議ではない」状態です。事実、この交差点は、区内で事故の多い交差点として公表されています。先の父親は、自分ばかりでなく、自分の娘まで危険にさらしていることの自覚はないのでしょう。

 

更にこの交差点では、図の右下又は左上から右折して国道に入ろうとうする場合には、交差点の中央で右折車が互い違いに交叉するという特殊な規制がされています。

先日、⑦のところで右折のために停止していた貨物車が、右折を開始しようとしたところ、貨物車の右後方から⑤の赤の線のとおりに自転車が走り込んできました。ソロっと動き始めた貨物自動車は咄嗟のブレーキでガクンと停まりましたが、その自転車は何事もなかった様に赤線に沿って走り去っていったのです。「あの男、自分が死なない限り、自分がどんな迷惑なことをやっているのか分からないだろう。」と、ここでも不謹慎な思いが浮かびました。

そして確信しました。「俺があのトラックを運転してたら、絶対轢いちゃっただろうなぁ」って。私が地元の人間でなかったなら、⑥の青線に沿って走る自転車や自動車がなければ右折したでしょう。横断歩道もないのに右側後方から自転車が来るなんて、予測できません。

 

 

2.と3.の事例などを目撃したこともありますが、「プロの運転手の注意力って凄いなぁ! 違法な自転車の動きまで見て安全を確保しているんだ。」と最近改めて感心しています。