税金で資金決済業者(○○ペイ、○○ポイント)の販促をする自民党馬鹿政権 | 野良猫の目

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マイナンバーカードに色々な機能を付加することで「マイナポイント」なるものが付くと聞いたとき呆れかえりました。一言でいえば;

 

行政サービスに景品を付ける馬鹿がいるか!

 

ということです。

 

 

……と思って、いろいろ調べてみたら、マイナンバーカードのホルダーにマイナポイントを出しているのは政府ではなく、ポイントを発行する決済サービス(資金決済業の業者)だったのですね。このやり方ズルくないですか?

 

 

1.なんで税金(?)で資金決済業者の販促をしなければならないんだ。

単純に考えれば、マイナンバーカードを作れば、早速5000円分のポイントがもらえて、何かの支払に充てられると期待します。しかし実際は、指定された決済サービスの会員になって、そのポイントにチャージ(決済資金の前払い)したり、ポイントで買い物したときに、その金額に応じて割引(25%)がされたりして、その割引の総額の限度が5000円ということなのですね。だから実際に5000円分の利益をうけるには、最低でも20000円の買い物をしなければならないのですね。そして、マイナポイントのために決済サービスの会員にならなければならない人もいるのです。以下、健康保険証に関連付けした場合の7500円のポイントも同様です。

 

こんなの詐欺でしょう。資金決済業者の販売促進に政府がお先棒担いでよいのですか。そして、このポイントの原資ってどこから来るんですか? もしかしたら資金決済業者に政府が払うんですか? だったら、資金決済業者の販促を国民の税金でやっているのじゃないですか。

 

ということであれば、例えばこう書くべきでしょう。

 

○○Payからのお知らせ

マイナカードのホルダーの方が○○Payで買い物代金を支払うと代金の25%(累計総額5000円まで)が皆さんの税金によって割り戻しされます。

*ご利用には事前の登録手続きが必要です。

 

 

2.なぜマイナンバーカードが普及しないのか、役人は自分の頭で考えなさい。

マイナンバーカードに限らず、行政サービスが国民・住民にとって必要であれば、黙っていたってそれにアクセスするでしょう。しかし手間と時間を掛けて手に入れて、それを自分の責任で管理しても殆ど使う機会もなく、また、マイナンバーカードを持っていなくても手続きができるとなれば、敢えてマイナンバーカードを持つ意味がありません。私もマイナンバーカードは持ってはいるものの、1年に1回の医療費控除などの為の確定申告にはマイナンバーを記入しますが、それ以外には、マイナンバーを使う機会は殆どありません。まして役所から個人情報(個人データ)が大量に漏洩した事件があったり、将来にプライバシーに係る情報に紐付けられる危険性すら有るとすれば、敢えてマイナンバーカードを持つメリットを見いださない人もいるでしょう。

いうなれば、マイナンバーカードが普及しない原因は、偏に政府の独りよがりな「行政サービス在り方」の履き違えと、個人情報漏洩事故などで明らかになった管理のずさんさなど、そしてカードの必要性を国民が納得できるようにきちんと説明できない(=何か下心があるような)政府に対する漠然とした不信感があるように感じています。こんなポイントサービスで釣ろうとすること自体がさらに不信感を拡大させます。

 

 

3.行政サービスに景品をつけて普及を図るって、どういう了見だい。

「ポイントは景品とは違う」という人が多いと思います。確かに現在の景表法(不当景品類及び不当表示防止法)ではポイントは一定の条件を満たせば「値引き」とされ景品にはあたらないことになっていますが、かつては、ポイントは景品として景表法の規制対象となっていました(※補注欄参照)。

 

景品規制が厳しかった時代ですから、販売担当(営業企画)の人間にとって、景表法の知識は必須でした。事業者団体が公正取引委員会(当時の規制庁)の人を招いて実施するが説明会に私も何度か出席させられたのですが、そのような説明会で公取の講師は景品規制の目的についてつぎのように切り出したものです。

 

○ 抽選などで選ばれた少数の者に高額な景品をだすより、その分商品自体の値段を下げるべき

○ 景品で競争するより、本来の商品の質で競争するべき

 

民間の事業者の取引を規制する景表法が行政サービスに適用になるとは思いませんが、私がマイナポイントを「景品」と捉えるのは、このようなかつての景表法の考え方が頭に残っているからです。そんな私の世代の感覚からすれば、「行政サービスに景品をつけるとはどういう了見だい」ということになるのです。

先の公正取引委員会の講師の言葉を借りれば、

 

○ 「少数の者に景品(ポイント)を出す」より、全体の予算を削減すべき

○ 品(ポイント)で釣るより、本来の行政サービスの質を向上させるべき

 

ということです。

 

 

4.ポイント規制に穴を空けたのはアメリカだった

往年のグリコキャラメル(おまけ付きグリコ)というのをご存知でしょうか。8粒か10粒くらいのキャラメルに小さなオモチャがついていた商品です。このキャラメルに付いてくるオモチャのような景品は、当時の景表法では「総付け景品(ベタ付き景品)」と呼ばれていました。

ベタ付き景品は、①価格の○%以内という制限と、②景品が実際に交付される時点の景品の価額(上限金額)制限の両方を満たさなければなりませんでした。よく覚えていませんが②の上限金額は当時数千円だったように思います。

こんな日本の景品規制に穴を空けたのが米国でした。

 

米国の航空会社が行うFrequent Flyer Program(FFP=今の日本で言う「マイレージシステム」)が日本では使えないという問題が生じたのです。マイレイージを貯めて引き換える航空券は、当時の景表法では総付け景品の上限金額の制限(数千円以内)に“引っかかった”(=日本ではFFPができない。)のです。それにも関わらず航空会社の宣伝が先行して、私が働いていた会社も含め現場が混乱したのを覚えています。

 

このようなことを背景に、在日米国商工会議所(ACCJ)は日本に景品規制の全面的緩和という形で要求し、平成8年に日本が規制を緩和して一定の条件の下にいわゆるポイント制度を規制の対象から外しました。

これを機会に日本でも航空会社のマイレイージシステムが本格化し、広くポイント制度も普及していきました。

 

景品規制の緩和も、日本はアメリカの言いなりだったのです。

 

 

5.それにしても、「マイナカード(Minor Card)」「マイナポイント(Minor Point)」って名前(略称)、酷くない?

「マイナカード」、「マイナポイント」と名前を見聞きする度に「minor(発音は「マイナ」の音が近い)」という単語が頭に浮かんで来ます。「minor」の意味は辞書を引くと「少数の」とか「たいして重要でない」とかいろいろな意味がでていますが、おおむね「良いもの」とか「優れた」というのとは反対の意味合いです。私の頭のなかでは「大したことのないカード」、「不利なポイント(要素)」という意味が浮かんで来ます。

「マイナカード」、「マイナポイント」という名前を思いついた人、そして企画に係わった人たちは、誰も「minor」という単語が頭に浮かんでこなかったのでしょうか。私には「Minor Card」とか「Minor Point」というのが英語として成り立つのかどうか分かりませんが、「これ、英語を母国語とする人が聞いたらどんな意味に取るのか、どんなイメージが浮かぶのだろうか」と不安になります。

 

少なくとも外国語類似のカタカナ語を用いる場合は、“スラングも含めて”どのような意味になり得るかも、その言語を母国語とする人にチェックしてもらいたいものだと思います。最近では、小池東京都知事が、新型コロナウイルスに関連して英語風のカタカナ語を造って訴えかけたものの、発表後すぐに字句をコソコソと訂正した事例や、通訳者の団体からの「外国人が読んでも意味が分からない」との批判も無視して強行した事例が見受けられました。カタカナ語で書いているうちは恥も国内だけで済みますが、これが外国語由来の言葉だと誤解して、日本人が外国人に(or 外国で)話すとトンチンカンなことになってしまいます。

 

それよりさぁ、日本の行政機関なのだから、ちゃんとした日本語を工夫して使ってよ

 

と言いたい。

 

 

最後に一言!

政府は、いい加減こういった子供だましの政策をやめなさい!