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アベ首相の配偶者が新型コロナウイルスの渦中に都内の某所で私設・“桜を見る会”を催したことについての国会答弁がひどかった。あれを聞いて、つくづくアベシンゾウという人間は「Lawmakerという意味においての議員」にしてはいけないと思いました。まして総理大臣などとんでもない話です。
まだ(4月7日現在)この委員会の議事録が公表されていないので、報道内容から遣り取りを再現してみました(実際とは違っているかもしれません。)。
アベ首相:「自粛が要請されていた公園での花見ではなく、レストランの敷地内の桜で写真を撮影した。」
杉尾議員:「レストランなら問題ないのか。宴会の自粛要請が出ている中での行動として適切か」
アベ首相:「レストランに行ってはいけないのか。(写真撮影の)その時点では、そういうことではない。自粛の中で何が求められていたのか。正確に発言をしてほしい。」
杉尾議員:「奥様はこうしたセレブな花見宴会ができる。だけど、大多数の国民はできない。」
この杉尾議員のLawmakerとしての資質についても疑問です。私が貧乏人だからかも知れませんが、「奥様はこうしたセレブな……」を聞いて、「これではまるで“貧乏人の僻み”じゃないかい」とずっこけてしまいました。
突っ込むべき所は、;
○「新型インフルエンザ等の発生時において国民の生命及び健康を保護」するという特措法の目的(第1条)の一つを実現するため、集団感染の発生の原因となる可能性のある行為を控える。
ということをアベ夫妻が弁えていなかったということの筈です。
小池知事のいう「公園の花見」も、いわゆる「密集、密接、密閉」の3密も、それをわかりやすく理解してもらうための“方便”であり、「東京都が管理する公園でなければよい。」、「3密の一つでも欠けていればやってよい。」という事でもないと思うのです。杉尾議員にあっては、こういった法の目的をしっかりと捉え、アベ首相の言葉尻答弁を真っ向から粉砕して欲しかったと残念に思います。
私自身、アベ首相の「自粛の中で何が求められていたのか」という反論を、上のような「法律が保護しようとする社会的利益を守るために何が必要か」という意味かと一瞬思いましたが、これは私の買いかぶりで、真意は「『レストランには行くな』とまでは言われていない。」という言葉尻を捉えた“口答え"に過ぎないと気づきました。
それでいて、昨日(4月7日)の緊急事態宣言後の記者会見で「既に自分は感染者かもしれないという意識を、特に若い皆さんを中心に全ての皆さんに持っていただきたい。」と言うとは……。「まず、家庭内で徹底しろ!」って言いたくなったのは私だけじゃないでしょう。
この問題に限らず、国会でのアベ政権の閣僚、アベ政権下の官僚の発言には、法の目的を蔑ろにしたようなものが多いように思います。これは、Lawmakerにあるまじきことです。
新型インフルエンザ等対策特別措置法や感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の目的から導き出せば、特措法を適用できない理由として「新型コロナウイルスはウイルスとしは未知のものではない。」という内閣官房国際感染症対策調整室の解釈も、生まれようがないはずです。特措法の改正は必要ないと主張していた立憲民主党は、成り行き上特措法の改正に賛成せざるを得なかったにせよ、内閣によるこのような恣意的な解釈をしっかりと追求し、安倍内閣の判断ミスを国民の前に明らかにして欲しかったと残念な思いです。
国会でも検察官の定年の問題などが議論されていますが、これに限らず、事あるごとに政権の思惑により法解釈を曲げることが当たり前のようになっていることに、暗然とした気持ちになります。
蛇足ながら……
昨日の記者会見の映像では、アベ首相の目の焦点が左右のプロンプターの画面を行き来しているのがよく分かりました。
家内が訊いてきました:「プロンプターって何?」
私:「カンニングマシーン」
間違っちゃいるけど、見当違いじゃないよね。