だいぶ前の話ですがね、事務所のポストにこんなチラシがはいってました。
ものすっごいアナログなチラシで、まあまあすげぇなと。
ご覧のようにリサイクルショップのチラシなんですがね、
実は私も一瞬だけ、リサイクルショップに就職していたんですよ。
名古屋の昭和区に拠点を置き、業界としては当時名古屋で最も新しい会社でした。
代表(創業者)は、営業バカで、自分がチャレンジして、
天下を取るためには、リサイクル業界ならいけるんじゃないか?
ということで、会社をはじめたらしいです。
そんなところへ、私が社員第1号として応募したわけですね。
そのときは、面接で、今後の会社展望・事業計画について資料を交えて力説せられて、
5年、10年後には、この仕組みをフランチャイズ化して、店舗を拡大させる。
そうなれば、左うちわと、おっしゃってましたよ。
私も専務か、常務か、いずれにせよ取締役側にまわる訳で、
いやぁ、夢があるなぁと思いました。
為に、多少の無茶もやりましたし、
それについて行けないような従業員には冷たくあたったりしました。
特にインターンでいらっしゃった女性には、
大変、大変、大変、気の毒なことをしました。
トラウマになってなければ良いのですが・・・。
その無茶のひとつが、ポスティングでした。
店舗営業終了後、何百枚ものチラシを昭和区、瑞穂区のマンションを中心にばらまきました。
代表は「これで、電話がじゃんじゃん掛かってくる!」と息巻いてました。
私も、それを信じて、怒られない範囲で夜中までマンションを駆けずり回りました。
ちなみに、残業代は固定という契約でしたので、+αはありません。
でも、いずれ、いずれ天下を取るんだという希望はあった。
代表は、それを魅せてくれていた。
私が就職するときに代表にお願いしたのは
『夢を魅せてくれ』だったから。
しかし、このポスティングの効果、一切ありませんでした。
おっきなマンションを見つけては、
ポスティング禁止の張り紙をモノともせず、遠慮なしに放り込みましたけどね。
でも、やるたんびに、『これって意味ある?』と思うようになりました。
ハッキリ言って、かけた努力に見合わないですよ、こんなの。
そもそも需要も興味もないんですから。
そんなヒトからみたら、こんなのただのゴミですよ。
そっから、代表をだんだんと疑いだして、
私がミスって、貴金属の買取りに失敗したときは、その分を私の給料から天引きしたり。
いや、このときね、代表が店舗にいなかったので、何度何度も電話で確認したんですよ。
GOを出したのは、あなた(代表)じゃないですか。
なのに、なぜ、私が怒られなきゃいけなかったのだろう。
蹴り飛ばされなければ(実際は未遂)ならなかったのだろう。
で、その分を『てめぇの給料から、天引きするな』と。
また車をぶつけて、傷つけた時も、その修理代を私に請求したり。
てっかね、そもそも素人(代表が)だったんですよ、この業界。
だからね、あっ、もう無理だ、このヒトってね。
と言うわけで、夢もへったくれもない。
こいつは、自分のことしか考えてないんだなと思うようになり、
早々に会社を去りました。
代表は、私が退職することをとても残念に思っていたようですが、
身から出た錆じゃないですかと私は言いたい。
夢が見られないんだったら、このヒトに付いていく必要は無いと。
たった1枚のチラシですが、まあ思い出す、思い出す。
ちなみに、あの事業計画は見事に頓挫してました。
代表も、名前が変わってましたよ。
戸籍をいじったのか、通名にしたのか分かりませんが、
よっぽど最初の名前が都合悪くなったんでしょうね。