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Yahoo!オークションで、現在は瀕死の状態にあるオーディオ機器メーカー『パイオニア』が

創業50周年を記念して作成された社史が出品されていましたので、思わず落札してしまいました。

 

 

社史には、今はなき目黒のパイオニア本社の写真や、

これまで開発してきた製品、業績が紹介されていました。

 

オーディオ(スピーカー)にはじまり、カーステレオ、

そして、1対13の逆境を跳ね返したレーザーディスク(LD)。

また、ブラウン管テレビや、プロジェクションテレビへの飽くなき挑戦が書かれていました。

 

 

正直、パイオニアにとって“テレビ”事業への進出は悲願だったのかもしれません。

音もある、映像もある、ないのはそれを表示する装置だけ。

プロジェクションテレビは作っていましたが、ブラウン管テレビ程一般化しなかった。

いわゆる“ホームシアター”を一般に持ち込もうとした結果、

注目したのが『薄型テレビ』だったのでしょう。

 

私がパイオニアでアルバイトをし始めたのは2000年3月からですが、

その時は、『ミニコンポ(オーディオ)を売ってくれ』と指示されていました。

また、DVDの普及(特に5.1chで音が出力できるようになったこと)に伴い、

ホームシアターが徐々に浸透し始め、それも売るようになりました。

 

そして、いよいよプラズマテレビ(パイオニアではプラズマディスプレイと称していた)も

第3世代に突入し、いよいよ100万円を切り始めた頃、

パイオニアが悲願としてた、テレビを含んだホームシアターへ本格的に参入。

そして、経営資源をプラズマディスプレイに全振り。

NECにプラズマ工場も買収したりして、

どっかのメーカーが執っていた『垂直統合』を実現、拡大してました。

 

2000年に入って、ロゴもコーポレートスローガンも変更して、

オーディオメーカーから、AV機器総合メーカーへ脱皮を図ろうとしたんでしょう。

バイトをしていた頃のパイオニアって、輝いてましたよ。ホントに。

 

 

 

でも、やらかしましたね。完全にプラズマが重荷に。

OEMも思うように展開できず、シャープは液晶を大型化。

パナソニックや日立は、32型、37型でもプラズマを展開。ソニーは液晶に注力。

43型、50型しか展開できなかったパイオニアは、徐々にシェアを落とし・・・。

DVDレコーダーも、パナソニックや東芝にしばかれ、

ソニーに留めを刺され、売っても売っても赤字。

 

売上高1兆円を目前に、坂道を転げ落ちるように転落しましたね。

 

ザ・しくじり企業

 

そんなパイオニアが一生懸命頑張ったプラズマテレビは市場から姿を消しました。

あたしゃあのとき、NECのプラズマ工場を買収せず、

逆に自社のプラズマ工場をパナソニックに売れば良かったのではないかと思います。

ただ、映像表示装置の自社生産というのは、パイオニアの悲願でしたからね。

そうもいかなかったのかもしれません。

 

現在、パイオニア(株)はカーエレクトロニクスで頑張ってますが、それも風前の灯火か。

いずれにせよ、私はパイオニアから色々なことを学びました。