一昨日の夜、テレビを見ていたら、Amazonの新しいCMが。
「姪の子どもが小麦粉アレルギーで、パンを食べられないと。
今回購入の米粉でパンを作ってあげたら、
とっても喜んでもらいました」
というナレーションとともに、大きくてきれいな焼き色がついた、小麦のパンとそっくりなパンが登場。
女の子が他の子たちと一緒に嬉しそうに食べる。
という内容。
これを見た瞬間、私の心はザワザワした。
まずは、小麦「粉」アレルギーって、なんじゃそりゃ？
次に、米粉でいろいろな形のパンが作れるなんて、聞いたことがない。
更に、米粉であんなにキレイな焼き色がつくなんて、これも知らない。
他の子も「パンだ！」と言って、なんの抵抗もなく美味しそうに一緒に食べているけど、小麦のパンとは全く違う味と食感のパンを、小麦のパンの味を知っている子供が喜んで食べるだろうか。
ナレーションは、商品レビューそのままだとわかった。CMは、その短いコメントを膨らませて演出されたものだった。
これが、誤解されたら嫌だなぁ。家で焼けば、簡単に小麦のパン屋さんに並ぶようなパンが作れると思われたら。
あみはもう大きいから、ああいうパンは作れないことは知っている。でも、CMが理解できる程度の幼児だったら。
「食べたい」「作ってほしい」
と言うだろう。
そして、この粉を使って作ってもらって、ガッカリするかもしれない。
あるいは、このレビューを書いた人のように、姪や甥、知り合いの子供に作ってあげようとする人も出るかもしれない。そのときは、小麦を使ったパンやクッキーを焼いたのと同じボウルやヘラなどの器具、同じオーブンを使うだろう。
重篤なアレルギーの場合、調理器具に(洗ってあっても)残っていたり、オーブンの中に微量に漂っていたりする小麦の成分で発症する場合もある。
そういうことがわからず、サプライズでパンを焼いてもてなそうとする人が出なければいいけど。
ただ、CMのなかで、「グルテンフリー」が強調されていたことは、評価する。一般に、小麦アレルギーと関係のない人向けの米粉パンには、パンをふくらませるために、「小麦グルテン」が入っている。それとは違うことがハッキリしていた。
とか言いながら、「もしかして」という期待も少しあり、その米粉を使ってみることに。
早速、Amazonで注文。
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２袋セットを注文して使い切れないと困るので、バラで一袋購入。送料が500円かかるので、Amazonプライムの30日間無料お試しも申し込み。
０時に注文したら、なんと16時に到着した。Amazon配送が配達してくれたのだけど、配達員さん、大丈夫なんだろうか？
遊びに行っていたあみが５時半に帰宅すると、すぐに作りたいと言う。
ドライイーストがなかったのだけど、ちょっと遠めのスーパーへ自分で買いに行くと言うので、行かせた。陳列されている場所がわからなかったときのために、「ドライイーストはどこですか」と書いた紙を持って。
パン作りは、夕飯を終えてから始めた。
作り方は、Amazonの商品ページに載っていた。
米粉100g砂糖10g塩1.5gドライイースト1.5g食用油10g水75mlをなめらかになるまでよく混ぜる。
小麦のパンと違って、ベタベタしてまとまらない。ここでまとまるまで混ぜていいのか、ベタベタのまま丸めるのか悩んだけど、今回は、このまま丸めることに。
レシピには50gに分けると書いてあったけど、３つに分けた。
ここで、ちゃんと丸めることができたことに、感動。米粉パンの生地は、型に入れないと形にならないものだとばかり思っていたから。
10分間、発酵タイム。
生地を一旦潰すとあったので、潰したけど、小麦のパンと違って、全然手応えがない。
25分から45分発酵させるとあったので、タイマーを30分にセット。
タイマーが鳴ってからオーブンの予熱を始めたので、最終的な発酵時間は45分くらいになったと思う。
200℃のオーブンで20分、焼成。
焼き上がりが、これ。
生地の段階ではない。焼き上がり。
やっぱり、焼き色はほとんどつかない。
食感は。米粉パン特有のずっしりもっちり。当然、CMから連想するふわふわ感はない。小麦のパンを知っている子供が「パンだ〜」と言って喜んで食べるとは思えない。
この焼き上がりがCMとは違うのは、腕のせいだとは思えないんだよねー。
工夫するところがあるとすれば、材料を混ぜるときに、もっと混ぜる、くらいしかないと思う。
でも、味は美味しかった。「米粉の」パンとして。
あみはジャムをつけて食べるのがお気に入り。
もうちょっと慣れたら、多少、形を変えることはできるかもしれない。でみ、見た目のふわふわ感と焼き色はなー。表面にバターでも塗ればつくだろうけど、そこまでする気はない。
今日もあみが帰宅したら、パンを焼く。
あみが生まれるまでは、小麦粉のパンを焼くのが趣味で、子供と一緒にパンを作るのが夢だった。ちょっと形は違うけど、夢が叶ったとは言える。
我が家にとっては、AmazonのCMはいいキッカケになってよかった。
それでも、やっぱり、このCMには、ザワザワする。世の人の間に誤解が広がったり、不用意なサプライズで事故が起きたりしませんように。