クラシック音楽とお散歩写真のブログ -24ページ目

クラシック音楽とお散歩写真のブログ

座右の銘は漁夫の利、他力本願、棚から牡丹餅!!
趣味のクラシック音楽をプログラミングする事に没頭、あとは散歩中に写真を撮りまくること。

中学受験応援しています。

 フンメルには珍しい標題音楽です。「気まぐれな美女」とか「気まぐれな貴婦人」とか訳されています。ラルゲットのゆったりした前奏部分は優雅に気取った美女を表現しています。
 本編のポロネーズに入ると笑顔かと思うと怒って見せたり、泣いて見せたり、拗ねて見せたりと目まぐるしくその表情を変化させていきます。陰影が忙しなく入れ替わり、落ち着きなく展開していきます。1811年の作品。
 

Programming Music
Johann Nepomuk Hummel
Polonaise in B-flat major,Op.55 "La Bella capricciosa"

 

Computer Programming : Hummel Note

 

Sequencer:SSW10 Lite
 

 

Birthday Anniversary(14.November, 1778) J.N.Hummel

 

Programming Music / Johann Nepomuk Hummel
Rondo Fantasie in E,Op.19(Sequenced Music)


ピアニストとしても作曲家としても評価されて、ベートーヴェンのライヴァルとなっていたフンメルは、ハイドンの推薦でエステルハージ家の楽士長として1803年に雇われてますが、ここでは雑用やオーケストラの管理、ハイドンの楽譜の管理と整理などに追われていて、満足できる仕事ではありませんでした。
息抜きなのか、自由な音楽への欲求なのか、よくウィーンに出ては音楽会を開催したりしています。

 

この時期はピアノ曲よりもオーケストラ作品やミサ曲などの宗教音楽、バレエ音楽などが大量に書かれた時期ですが、長大なピアノの為の幻想曲Op.18はこの時期の代表作であり、このOp.19もそんな最中に書かれたものです。

 

1806年に書かれたこの曲はファンタジー風ロンドというタイトルがつけられてますが、幻想曲とロンド、という方がしっくりくると思われます。

 

楽曲はゆっくりしたテンポの前半部とテンポの速い軽快な後半部に別れていて、前半部は序奏という位置付けではなく独立した即興曲的なファンタジーです。

 

後半のロンドは重奏と和音、三連符が交差する忙しい曲で、聴いた印象よりも難曲です。ホ長調という#が4つの基調の上に転調を繰り返して10本の指を駆使して和音の強奏を展開していきますので、暗譜が大変そうです。

 

打ち込みでもオーケストラ作品よりかなり大変でシャープ、フラット、ナチュラル、ダブルシャープが大量に付与されているので、譜面を追いかけるだけでも大変です。

 

全体を通して軽い楽曲の印象を持たれるかもしれませんが実際はかなりの難曲で、フンメルのピアノ技量が計り知れます。ということもあり、録音は少ないです。

 

それでもNAXOSから乾まどかさんをはじめ、複数の演奏で聴けるので嬉しい限りです。
 

 

もう一つだけ紹介

 

※制作はフリーのMuseScore4で、音源はGARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5のgrand pianoを使用しています。

 

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 【DTM】フンメル/歌劇「ギース家のマティルド」Op.100 序曲(1821年ワイマール初演版)

※原曲: バレエ音楽「ミティリーニのサッフォー」,Op.68 序曲(1812年)

さて、今回作成したプログラミングはどちらの序曲と表記するか迷いました。

というのもこの序曲は「ミティリーニのサッフォー」(Sappho Von Mitilene)という1812年に作曲され、アン・ディア・ウイーン劇場で初演されたバレエ音楽の序曲ですが、前年の1811年に初演された歌劇「ギース家のマティルド」(Mathilde von Guise)をフンメルは後にワイマール宮廷楽長になってから改作し、1821年2月17日にワイマール宮廷劇場で再演された際にもともとの序曲に代えて「ミティリーニのサッフォー」の序曲を当てました。この時のイタリア語台本の改作がOp.100として出版されたため、この序曲も歌劇「ギース家のマティルド」の序曲として広く知られるようになりました。

 

楽曲はアンダンテの序奏から始まり、軽快で華麗なアレグロモルトが続き、最後はテンポを速めたコーダで華々しく締めくくられます。もともとは1812年の作品ですが、ウエーバーを感じさせる音形、展開、和音が多く見受けられます。

 

この曲の序奏部の木管楽器のテーマはバレエ音楽「ミティリーニのサッフォー」の第3幕に登場するシーンの音楽で、このオペラ本編には出てきません。ここは改定しなかったんですね。しかしその後の本編の特徴を連想させるには十分な効果をもっています。
楽器編成はフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーン、ティンパニ、弦5部

 

聞くことのできる数曲のフンメルの序曲や管弦楽曲を聞くたびに、交響曲のような長大な集中力のある構成力はないけれど、とても魅力ある楽曲が多いので、彼の序曲集とかバレエ音楽全集とかもっと録音されればよいなぁと願っています。

 

 

以前に歌劇「ロバと王女(ロバの皮または青い島)」序曲もプログラミングしていますのでご興味があればそちらも是非お聞きください。

 

この歌劇「ギース家のマティルド」,Op.100は、3幕のオペラですが、もともとはドイツ語のジングシュピールでケルトナートル劇場で1811年にウィーンで初演されました。初演時からこのオペラは大絶賛を受け、フンメル本人によるピアノ編曲譜も出版されたほどでした。ワイマール楽長時代の1821年の改訂版はイタリア語の台本に改定し、初版のいくつかの楽曲に手を加えられて、ワイマール、ベルリン、リガで演奏されました。「ギース家のマティルド」はフンメルのオペラの代表作となりましたが、彼の死後より忘れられ、2008年にフランスのランで初録音の計画ともなった演奏が行われるまでレパートリーから外されていました。

 

軽い喜劇要素を含んだハッピーエンドで終わるオペラですが、その音楽は美しいアリアや重唱、軽快なアンサンブルが散りばめられたとても魅力的な作品で、モーツァルトやロッシーニ、ケルビーニやスポンティーニと類似した性格を持っています。音楽はモーツァルトのコシ・ファン・トゥッテに似ているかな、という個人的な印象を持っています。

 

 

現在2008年にフランスのランで復刻再演された演奏が録音され、これが唯一のオペラ全曲盤となっています。