【DTMクラシック】J.N.フンメル/3つのソナタ集,Op.5 | クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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ヨハン・ネポムク・フンメル(Johann Nepomuk Hummel, 1778–1837)の作品5(Op.5)は、2曲のヴァイオリン(またはフルート)とピアノのためのソナタ、1曲のヴィオラとピアノのための全3曲からなる曲集です。
 
フンメルはモーツァルトの愛弟子であり、ベートーヴェンのライバルでもあった「古典派からロマン派への橋渡し」をした重要な作曲家です。この作品5は1798年頃(フンメルが20歳頃)に出版されており、若き日の才気と、師であるモーツァルトの影響、そして彼独自のピアノの名技性が光る作品群です。
当時の慣習として、これらは「ヴァイオリンの伴奏を伴うピアノ・ソナタ」という性格が強く、ピアノパートが主導権を握りつつ、ヴァイオリンが彩りを添えたり対話したりするスタイルが特徴です。

 

作品5の概要

 

出版: 1798年頃(ウィーン)
献呈: プロイセン王妃ルイーゼ(Luise von Mecklenburg-Strelitz)

 

スタイル: ウィーン古典派の様式美(明快な形式、優雅な旋律)の作品で師匠モーツァルトの音楽的性格を受け継いでいる作品。

 

 

以下に3曲それぞれの特徴を解説します。
 

 

 

ソナタ 第1番 変ロ長調 (Sonata No. 1 in B-flat Major)

 

このセットの開幕を飾る、明るく堂々とした作品です。3曲の中で最も古典的な均整が取れています。

 

 

 

第1楽章 (Allegro moderato.): 変ロ長調らしい開放的で明るい主題で始まります。ピアノの右手が華麗なパッセージを奏でる一方、ヴァイオリンはそれを支えたり、模倣したりします。展開部はドラマチックですが、重苦しくはなりません。

 

 

第2楽章 (Andante con variazioni): 変ホ長調の穏やかな緩徐楽章です。フンメルらしい「歌うような(カンタービレ)」旋律が美しく、ピアノの装飾的なラインとヴァイオリンの長いフレーズが対話します。

 

 

第3楽章 (Rondo: Allegro vivace): 軽快なロンドです。ユーモアのある主題が何度も現れ、ピアノの技巧的な走句が散りばめられています。最後は爽やかに締めくくられます。

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ソナタ 第2番 ヘ長調 (Sonata No. 2 in F Major)

 

3曲の中では最も平易で牧歌的性格の楽曲です。技術的な誇示よりも、旋律の美しさや穏やかな雰囲気が重視されています。
 
第1楽章 (Allegro con spirito): ヘ長調のファンファーレ主題で開始しますが、その後は一貫して牧歌的な落ち着いた音楽が流れていきます。激しい対立よりも、流れるような優雅さが特徴です。ピアノとヴァイオリンが対等に近い関係でメロディを受け渡す場面も見られます。

 

 

第2楽章 (Andantino con grand espressione): 短調(ニ短調など)の影を含む、少し哀愁を帯びた、あるいは瞑想的な楽章です。第1番のAdagioよりも内省的で、初期ロマン派の雰囲気を感じさせます。

 

 

第3楽章 (Rondo alla Polacca un poco moderato): 速すぎないテンポ(アレグレット)のロンドです。舞曲風の愛らしい主題が特徴で、サロンで演奏されるのにふさわしい、上品でチャーミングなフィナーレで、個人的には大好きな曲です。

 

 

DTM NOTE (上記2曲)

 

Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:Dorico 5
Sounds:Note Performer 5(Violin solo), GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA(Piano),
The score in the video is the playback screen of Dorico5.

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ソナタ 第3番 変ホ長調 (Sonata No. 3 in E-flat Major)
第1番、第2番とは異なり、この第3番はヴィオラのために書かれており、古典派のヴィオラ・レパートリーの中でも特に重要で人気の高い作品です。ヴィオラの音域を生かした書法: ヴァイオリンに比べて中低音の豊かな響きが重視されており、ヴィオラ特有の温かみのある音色や、少し鼻にかかったような渋い音色が生きるように作られています。

 

第1楽章 (Allegro moderato): 冒頭のピアノによるファンファーレ風の開始はそのままですが、ヴィオラが入ってくると、より深く落ち着いた響きで対話が進みます。ヴィオラ奏者にとっては、太い音で堂々と旋律を歌うことが求められます。

 

 

第2楽章 (Adagio cantabile): この楽章の美しさはヴィオラ版でこそ真価を発揮します。高音域の張り詰めた緊張感よりも、中音域の包容力のある歌わせ方が特徴です。

 

 

第3楽章 (Rondo: Vivace): ヴィオラには少し難しい俊敏な動きも出てきますが、その分、少しユーモラスで活気のあるキャラクターが強調され、フィナーレを華やかに彩ります。

 

 

この第3番は、現在でもヴィオラのリサイタルで頻繁に取り上げられる名曲です。ヴァイオリンで演奏される(編曲版)ことも稀にありますが、オリジナルはヴィオラのための作品であるというご指摘、誠にその通りでございます。

 

 

 

DTM NOTE(ヴィオラソナタ)

 

 

ヴィオラソナタのデータは2015年に一度作成して、2022年に音源の当て直しをしてます。
Programed by Hummel Note
Daw&Sequencer:SSW10 Lite & Music Pro Windows Plus
Sounds:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 5/ARIA


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まとめ

 

 

 

フンメルのOp.5は、ウイーンで若手音楽家として人気が上がり始めていたころで、ピアニストとしてもベートーヴェンと双璧の人気を獲得し始めていたころの、初期作品です。ピアノ学習者にとっては古典派のスタイルと指の独立を学ぶ良い教材であり、ヴァイオリン奏者にとってはピアノとのアンサンブル能力(特にバランス感覚)を磨くのに適しています。

 

 

 

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