モーツァルトの傑作ピアノ協奏曲第24番&第25番のイチ推し盤 | クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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1786年、モーツァルト30歳の年。この年の作品の多さと充実度は売れっ子タレントそのものと言ってよい活躍ぶりだった。

  • ジングシュピール『劇場支配人』
  • ピアノ協奏曲第23番イ長調
のほかにアリアや劇挿入歌、フリーメイスンの合唱曲等が作られ歌劇「イドメネオ」がウィーンで再演された。
なによりも5月には歌劇「フィガロの結婚」の初演を待っている状態であった。
 
そんなフィガロの作曲も終盤に来ている忙しい時期の3月の終わりに完成し、4月7日にウィーンのブルク劇場で予約演奏会で初演されたのがピアノ協奏曲第24番 ハ短調である。

 

この曲はモーツァルトの管弦楽曲編成としては最大級のもので、もちろんピアノ協奏曲の中では最大の編成を持っている。

 

 

良く知られているようにモーツァルトの協奏曲の中で短調作品はピアノ協奏曲20番のニ短調とこのハ短調のみである。ニ短調が情熱的な性格だとすれば、このハ短調は激情的。のちにベートーヴェンがコンスタンツェ未亡人のための慈善コンサートでこの曲を演奏し終わったとき、「ブラーボ、ブラーボ、我々にはこんな曲は作れない」と語ったとされる。ベートーヴェンは自身のピアノ協奏曲第3番で同じハ短調を採用し、この曲と似た性格の曲を書いていることも面白い。

 

 

さて、そしてフィガロの初演後はピアノ四重奏曲第2番、友人ホルン奏者ロイドケープのためにホルン協奏曲第4番を書いたり、ピアノ三重奏曲第3番三重奏曲(変ホ長調、通称「ケーゲルシュタット」)、その他四手のためのピアノ作品を数曲、弦楽四重奏曲第20番(ニ長調、通称「ホフマイスター」)、フルート四重奏曲などなど、名作群を立て続けに完成させている。

 

 

さらにこの年には8歳の天才少年J.N.フンメルにモーツァルト家住込でレッスンし、秋から冬にかけては、フィガロがヒットしているプラハへ招かれ、プラハの演奏会用にピアノ協奏曲第25番交響曲第38番が書かれた。

 

 

このピアノ協奏曲第25番ハ長調は、緊密な構成力と主題の展開法、オーケストレーションにおいて、ベートーヴェンのような雰囲気すら感じさせるスケールの大きな作品。

 

 

このとてつもなく充実して忙しい1786年という年に書かれたフィガロの結婚から序曲とピアノ協奏曲24番、25番という3曲を収めたものが今回のアルバムです。

 

 

 

 

ただ、なぜ紹介したいのかというと、ピアノ演奏、オーケストラの鳴り、録音、テンポ感において、現在におけるもっともお気に入りの演奏・アルバムとなったからです。

 

 

個人的には良い演奏であっても録音が古かったり好みでなかったりすると評価としては下がるのですが、今回はテンポ感も、弦と菅のバランスや響き、力強さと高低のバランスがこれまで自分が聞いてきた演奏を凌駕しました。

 

 

また24番のカデンツァには弟子のフンメルのものが使われていて(演奏者の加筆・改編部分もある)、個人的には理想的。

 

 

ピアノのジャン=エフラム・バヴゼは粒がそろった明瞭な音を響かせ、マンチェスター・カメラータはあまり意識して聞いてこなかった楽団ですが、とても美しく統制が取れてる、安心して聞いていられる演奏です。使用しているのがYAMAHA CFXピアノというのも驚きです。

 

 

古楽演奏ではなく、現代オーケストラと楽器で、力強い演奏が好みでしたら、このアルバムはお勧めです。
ここのアルバムでモーツァルトピアノ協奏曲シリーズは7弾目とのことで、他のアルバムも聞いてみたいと思わせるものでした。

 

 

 

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