今日はそんな落ち着かない感を増長する
ようなフンメルのピアノ曲を紹介。

死後に出版された遺作品集の中の一曲で、カプリッチョ(奇想曲)というタイトルが付けられてますが、要するに即興演奏を譜面に書き起こした
ものだろうと推測してます。
この曲、フンメルにしては珍しく優雅さとかが無く、対位法を用いて作られていて、調性の不安定な混沌とした雰囲気の中でうねりながら展開していきます。
速めのテンポでなっているどの音にも力がこもり、無造作にも思えるほど力強く、そして狂気をはらんでます。
最後に力尽きて、死に至る。
苦しんで死ぬ前に暴れる虫などを連想させる。
そんな感じ取り方をした曲です。
ロマン派以降はもっと感情的に大胆にドラマチックな曲が沢山生み出されますが、この穏やかな性格の古典派の作曲家から生み出されたと考えると、一体どんな心情の時に作られたのか、とっても興味が湧いてきます。構成されたドラマチックなソナタなどより無作法なこの楽曲に魅力を感じています。
さて、今でも録音されたものはコル二の演奏による1種しかありません。
今回の音源は私の打ち込みで、当時は録音されたものがなかったので、ファクシミリ譜面から打ち込みしていきました。
今の世の中のような不安定な曲、ご興味あれば是非。
【打込音源】フンメル/ピアノのためのカプリッチョ 変ホ短調.Op.Posth.6
Sequenced Music
Johann Nepomuk HummelCapriccio in E-flat minor, Op.posth.6
Sequenced by Hummel Note
Sequencer:SSW9 Lite
Score creation:Music Pro Windows Plus
Sound:GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA 4