【新譜紹介】フンメル編曲/ベートーヴェン交響曲集Vol.1 | クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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今回紹介するのはNaxosからリリースされたベートーヴェン交響曲第1番と第3番「英雄」のフンメルによる室内楽編曲版です。

 

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● 交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』 (1803-1804)
● 交響曲第1番ハ長調 Op.21 (1799-1800)
ウーヴェ・グロット(フルート)、グールド・ピアノ・トリオ



これらの編曲はフンメルがヴァイマールの宮廷楽長として働いていた1823年から1835年の間に断続的に作られた編曲シリーズで、ハイドンの4曲の交響曲、モーツァルトのピアノ協奏曲と交響曲、ベートーヴェンの交響曲と七重奏曲、その他の作曲家の序曲など50曲あまり残されています。

すべて、ピアノ、フルート、ヴァイオリン、チェロ用に書かれていますが、当時室内やサロンでモーツァルトやベートーヴェンの曲を気軽に楽しめるものとしてゲーテらからもお願いされていたようです。

ご興味あれば参考までにこちらをどうぞ↓

フンメル研究ノート 作品一覧-編曲作品


モーツァルトのピアノ協奏曲の編曲版は近年かなりリリースされてきておりますが、ピアノパートの技巧的装飾の追加や大胆な小節のカットなどもあり、面白く聴きごたえのある編曲です。しかし、交響曲に関しては原曲に比較的忠実で違和感のない仕上がりで、このNaxosのレーベルからはすでに下記が発売されています。
8.572842交響曲第35番「ハフナー」, 第36番「リンツ」, 第41番「ジュピター」








8.572841交響曲第38番「プラハ」, 第39番, 第40番







 
そして、フンメルはベートーヴェンの交響曲第1番から第7番までを室内楽版に編曲しておりますが、今回はその第一弾として「英雄」と第1番がリリースされたこととなります。
 

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聞いた感想ですが、モーツァルトより以上にダイナミックなオーケストレーションが魅力のベートーヴェンの交響曲のため、最初は「物足りなさ」を感じました。しかし繰り返し聞いていても疲れたりしない原曲とは違う受け入れができます。思い起こせばベートーヴェンのピアノ四重奏などもこんな感じだなぁ、と思えます。

個人的にはフンメルが編曲したベートーヴェンの作品では「七重奏曲,Op.20」が原曲に勝るくらいの出来栄えなので(これは曲がこの編成にマッチングしているかどうかの問題かもしれません)、ぜひともその録音・リリースを心待ちにしたいと思います。

このようなひと昔前なら録音の対象にもならない作品が聞ける時代であることに感謝。