10月24日。
日本フンメル協会会長の岳本恭治さんの門下生およびプロ・教師たちの合同発表会にお声掛けいただき、仕事帰りに寄らせていただきました。
場所は表参道にあるカワイ表参道のコンサートサロン・パウゼです。
原宿は1年ぶり(笑)
カワイ表参道「パウゼ」
20人ほどの芸大生、卒業生、ピアノ教師さん達なので、みな上手いし、みな難しい曲ばかり演奏していました。
岳本会長はチェリストのジェフリー·ポール·バドリックさんと、フンメルのチェロソナタ イ長調,Op.104を演奏。
演奏前に「今日はフンメルの楽曲は風邪ひいてます」等と謙遜しておられましたが、難しいピアノパート見事に演奏、堪能させていただきました。
何せ難しい曲です。所々で危ういところもありましたが、さすがの調整力。二人が呼吸を合わせ、きっちり合わせてエンドまで持っていかれました。
フンメルのチェロソナタは、個人的にはベートーヴェンのチェロソナタより評価している楽曲で、フンメルの最も好きな曲の一つです。
(DTM打込音源によるフンメル/チェロソナタより第3楽章)
優雅な川と古城のブラチスラバの風景が浮かんでくるような第1楽章「アレグロ・グラツィオーソ」。6/4拍子という特殊な拍子でゆったりと美しく流れていきます。
第2楽章は、フンメルの叙情楽章の中でも一、二を争う美しさの「ロマンス」。暖かいチェロの響きが心を温かく包んでくれます。
第3楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」はイ短調のセンチメンタルな主題が魅力的な楽曲。曲が進むにつれて演奏者は大変そうなパッセージが続きます。
チェロソナタを生で聞いたのは初めてです。大変貴重な機会と素敵な時間を頂き感謝です。
一点気になるところ。
会場のコンサートサロン「パウゼ」ですが、響きも雰囲気も大変素晴らしいところですが、この空間でフンメルのチェロソナタを演奏するにはグランドピアノの音量が強すぎると思いました。
録音するにはミックスで調整できますが、生だとチェロ(弦)の響きはピアノの倍音にかき消されてしまいます。特によく鳴るピアノだったからかもしれませんが、この曲を演奏するときは古楽器か(個人的にはフォルテピアノは好きではない)音の軽いアップライト位の方が合うのかな、なんて思っちゃいました。
コンサートでアップライトなんて聞いたことないですけどね(笑)
(以下 イベントプログラムより転載)
★ジェフリー·ポール·バドリック
ニューヨーク出身。ジュリアード音楽学校(ニューヨーク1905年創立)、ピーボディー音楽学校(ボルティモア1857年創立)でチェロの研鑽を積む。卒業後、ジャクソンヴィル交響楽団やリンゼアン弦楽四重奏団等でチェリストとして演奏活動を行う。その-方で日本文化に興味を持ち、1998年に来日。地域の伝統芸能やバレエ教室にも造詣が深く、交流を深めている。現在、群馬県立中央中等教育学校で、英語と音楽の教鞭をとる傍ら、高崎チェンバーミュージックソサエティ·モーツァルトオーケストラ指揮者、チェロ奏者など、幅広い活動を行っている。日本J.N.フンメル協会正会員