モーツァルトとサリエリの共作 | クラシック音楽とお散歩写真のブログ

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 以前下記の記事を読んだとき、モーツァルトとサリエリによる共作「オフィーリアの健康回復に寄せて」という作品が気になっていたのですが、なんとCDリリースされました。
  
 その共作が収録されたCDがこちら↓
 
 世界初録音となる共作カンタータ『オフィーリアの健康回復に寄せて』曲は、イギリスのソプラノ歌手ナンシー・ストレース[1765-1817](モーツァルトの愛人ともいわれる。兄ケリー・ストレースはモーツァルトにピアノ、作曲の手ほどきを受け、イギリスに帰国後にトーマス・アトウッドらとともにイギリスでのモーツァルト作品の普及に尽力した)のために、ダ・ポンテのオペラの台本を、第1楽章をサリエリ、第2楽章をモーツァルト、第3楽章をウィーンの声楽の教師であり作曲家であったアレッサンドロ・コルネッティが作曲し、声が出なくなった後に復帰したナンシー・ストレースのために捧げたといわれています。
 
 この作品は、ソプラノとピアノのために書かれたものですが、ここでは指揮者のクリスティアン・ベンダがオーケストレーションを行い、管弦楽伴奏版としての世界初録音となります。
 
 この曲についての詳細はwikiに書かれていますね。私もここら辺からの情報の受け売りです。
  
 モーツァルトとサリエリの関係は、映画「アマデウス」で有名になりましたが、フィクションですよ。特にモーツァルトの晩年は、戦争、市民階級の運動・活動など不穏な情勢で、宮廷や有産階級たちが音楽で余興を楽しむ余裕もなくなり、お互い不遇な扱いを受けることも多かったそうです。モーツァルトはイタリア人というだけで「批判的」な発言をする癖があったようなので、仲が悪いという後世の噂の出所はモーツァルト自身、ということになりますね。
 
 サリエリ自身はモーツァルトの才能を高く評価しつつも、ウイーンオペラ界の第一人者でもあり、モーツァルトの才能に嫉妬するような事があったとしても、妨害したり殺そうと思ったりしたことはないでしょう。実際、モーツァルトの宗教曲は良く取り上げて演奏していたし、モーツァルトの最後の三大交響曲の初演もサリエリが指揮したという説もありますし、モーツァルトの弟子のフンメルや息子のフランツ・クサーヴァーの教育を引き受けています。
 
余談ですが、ナンシー・ストレースは過去の映画や書籍で愛人関係にあったと言われることが多い人物です。歌がうまくて美人なら、モーツァルトはコロっといっていたかもしれませんね(笑


 さて、このCDは2枚組、全15曲が収録されており、そのうち6曲はサリエリの作品、というマニアよだれモノになっています。
 
【収録曲】
1. モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』 K.527序曲
2. サリエリ:歌劇『まずは音楽、おつぎが言葉』シンフォニア
3. モーツァルト:歌劇『劇場支配人』 K.486序曲
4. サリエリ:歌劇『ヴェネツィアの定期市』シンフォニア
5. モーツァルト:歌劇『魔笛』 K.620序曲
6. サリエリ:歌劇『ダナオスの娘たち』より序曲
7. モーツァルト:交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』
 
Disc2
8. モーツァルト:歌劇『フィガロの結婚』 K.492序曲
9. サリエリ:歌劇『オルムスの王アクスール』シンフォニア
10. モーツァルト:歌劇『皇帝ティートの慈悲』 K.621序曲
11. サリエリ:歌劇『ペルシアの王女パルミーラ』序曲
12. モーツァルト:6つのドイツ舞曲 K.509
13. サリエリ、モーツァルト、コルネッティ合作:カンタータ『オフィーリアの健康回復に寄せて』 K.477a(オーケストレーション:クリスティアン・ベンダ/ソプラノ:ダグマー・ウィリアムズ)
14. モーツァルト:歌劇『後宮からの逃走』 K.384序曲
15. モーツァルト:交響曲第35番ニ長調 K.385『ハフナー』
 
プラハ・シンフォニア管弦楽団/クリスティアン・ベンダ(指揮)
録音:2017年4月26,27日


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