「え、まじで!?」
スマートフォンを握りしめ、太郎は信じられないという顔で画面を見つめた。
友人からのLINEには、数日前から話題になっているあのAVのキャプチャ画像が添付されていた。
そこには、見覚えのある笑顔が。それは紛れもなく、高校時代からの親友、健太だった。
「まさか…健太が…」
太郎は、動揺を隠せない。
健太とは、いつも一緒にゲームをして、悩みを相談しあう仲だった。
まさか彼が、そんな世界に足を踏み入れるなんて想像もしていなかった。
「でも、なんか…カッコいいな」
正直な気持ちを打ち明けると、太郎は我に返った。
画面の中の健太は、以前よりもたくましく、色気のある表情を見せていた。
「おいおい、俺、何言ってんだ…」
太郎は自嘲の笑みを浮かべた。
友達の顔が映る映像を見ながら、尊敬に近い感情を抱くなんて、自分でも信じられない。
その夜、太郎はいつものように一人でビールを飲んでいた。
何度も健太の顔が浮かび、
複雑な気持ちになった。
「なんで俺、こんな気持ちなんだ?」
自問自答を繰り返しながら、太郎はスマホで再びあの動画を探し始めた。
そして、ついに再生ボタンを押す。
画面に映し出された健太の姿に、太郎は釘付けになった。
普段見せることのない表情や仕草に、どこか色っぽい魅力を感じてしまう。
「ダメだ、ダメだ…」
太郎は何度もそう呟きながら、画面から目を離せない。
翌日、太郎はいつものように会社に向かった。
しかし、頭の中は昨日のことでいっぱいだ。仕事に集中できず、何度もミスをしてしまう。
「どうすればいいのか…」
太郎は悩み抜いた末、健太に連絡することにした。
「もしもし、健太か?」
「あ、太郎か。どうした?」
電話の声は、いつも通りの明るい声だった。
「あのさ、昨日のことなんだけど…」
太郎は、正直に自分の気持ちを伝えた。
「え、マジかよ!?」
電話の向こうから、健太の驚いた声が聞こえた。
「ごめん、太郎。俺、色々考えがあって…」
健太は、自分の決断について語り始めた。
「でも、太郎とはこれからも友達でいたいんだ」
健太の言葉に、太郎は安堵した。
それからというもの、太郎と健太の関係は以前と変わらなかった。
むしろ、二人の間には、以前よりも深い友情が芽生えたような気がした。
ある日、二人で居酒屋で飲んでいた時、太郎は健太に尋ねた。
「あのさ、なんでAVに出ようと思ったんだ?」
「色々あったんだよ。お金が必要だったし、新しい自分を見つけたいと思って」
健太は、そう言って笑った。
「でも、太郎にだけは正直に言いたかったんだ」
太郎は、健太の言葉に感動した。
「ありがとう、健太。これからも友達でいてくれ」
太郎はそう言って、健太と乾杯した。
その後も、二人は時々一緒に飲みに行ったり、ゲームをしたりして、楽しい時間を過ごした。
太郎は、健太のことを以前よりも深く理解できるようになったと感じていた。
この出来事をきっかけに、太郎は自分自身の価値観を見つめ直すようになった。
そして、多様性を認め、人を尊重することの大切さを学んだ。
たとえ相手がどんなことをしようとも、友情は簡単に壊れるものではなかった。
そう、太郎はそう思った。