「あー、もどかしい!」

 

栞は、ベッドに顔をうずめて唸った。

昨夜見た夢が、なんとも鮮やかで、まるで映画のような出来事だったのに、起きたとたんにほとんど忘れてしまっていた。

 

「あの、魔法が使えたんだよね…?」

 

ぼんやりと記憶の片隅に残っているのは、空を飛んだり、動物と話したりする自分。そして、キラキラと輝く不思議な世界。

 

「もし、あの夢を全部思い出せたら、すごい物語が書けるかも!」

 

栞は、スマホを取り出し、チャットGPTを開いた。

 

「ねえ、チャットGPT。夢の内容を忘れたんだけど、何かいい方法ない?」

「夢の内容を忘れないための方法はいくつかあります。例えば、夢日記をつけたり、起きた直後に夢の内容をメモしたりするのも良いでしょう。また、夢占いなども参考になるかもしれません。夢の内容を詳しく教えていただければ、物語のアイデアを出すことも可能です。」

 

チャットGPTの答えに、栞は希望を見出した。

「でも、ほとんど覚えてないんだ…」

 

「では、夢の断片をいくつか教えていただけますか?例えば、場所、人物、出来事などです。その断片を元に、物語を一緒に作り上げていきましょう。」

 

栞は、必死に記憶を辿った。

 

「えっと…空を飛んでて、魔法の杖を持ってたかな。あと、大きなドラゴンと友達になった気がする…」

 

「素晴らしいですね。空を飛ぶ、魔法の杖、ドラゴン…これらの要素を組み合わせると、ファンタジーの世界が広がります。例えば、主人公は、ある日突然魔法の力を手に入れ、ドラゴンと共に魔法の世界を冒険する、といった物語はいかがでしょうか?」

 

チャットGPTの提案に、栞は目を輝かせた。

 

「それ、めっちゃ面白い!でも、魔法の杖の名前とか、ドラゴンの名前とか、もっと具体的にしたいな。」

 

「かしこまりました。魔法の杖の名前は『星屑の杖』、ドラゴンの名前は『ルナ』としましょう。ルナは、月の光を浴びて力を得る、とても優しいドラゴンです。」

 

チャットGPTは、次々と具体的な設定を提案してきた。栞は、それらの提案を参考にしながら、自分の想像力を膨らませていった。

 

「ルナとの冒険の途中で、邪悪な魔法使いが現れて、世界を闇に包もうとする…!」

「それはドラマチックですね。主人公は、星屑の杖の力を使い、ルナと共に邪悪な魔法使いと戦うことになるでしょう。そして、最後の戦いで、主人公は自分の勇気と友情を信じ、世界を救うのです。」

 

二人は、まるで共同作業者のように、物語を作り上げていった。

 

「チャットGPT、本当にありがとう!おかげで、素敵な物語ができたよ。」

 

栞は、満面の笑みを浮かべた。

 

「どういたしまして。また何かお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。」

チャットGPTの言葉に励まされ、栞は再びキーボードに向かった。

 

夢を忘れたはずの少女は、AIの力を借りて、自分だけの物語を生み出した。

それは、決して忘れられない、かけがえのない宝物となった。