今年15作品目となる日本映画は『流浪の月』です。

 

2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうのベストセラー小説を、李相日監督が広瀬すずと松坂桃李の主演で映画化した作品です。

 

「パラサイト 半地下の家族」のホン・ギョンピョが撮影監督を担当したそうです。

 

Amazon primeで無料配信されています。

 

『流浪の月』

2022年5月13日 2時間30分

配給 ギャガ

監督・脚本 李相日

原作 凪良ゆう「流浪の月」

出演 広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、趣里、三浦貴大、白鳥玉季、柄本明

評価 3.0

 

 

この作品、私はもちろん小説は読んでいないので、映画だけを見た上での感想です。

 

李相日監督作品は2006年の「フラガール」(評価5.0)だけ見たことがありますが、「悪人」や「怒り」などは未視聴です。

 

帰れない事情を抱えた10歳の少女・更紗(さらさ)と、彼女を家に招き入れた孤独な大学生・文(ふみ)が、雨の中で出会うシーンから映画はスタートします。

 

お互いにそこが心地よい居場所となり、やがてそれが誘拐事件として世間に公表されることになります。

 

文は「ロリコンの誘拐犯」更紗は「被害女児」のレッテルを貼られ、15年後に偶然再会しますが、それぞれに現在の恋人がいました。

 

少し疑問に思ったのは、おそらく更紗の叔母が警察に捜索願を出したのでしょうが、文が警察に拘束された後、更紗は自分の意志だったと主張はしなかったのでしょうか?

 

映画を見る限り、文は更紗に不純な行為をしているわけでもないし、そこまで罪に問われることでもないような気もしました。

 

そしてこの映画の特筆すべき点は、俳優陣の演技の素晴らしさではないでしょうか。

 

松坂桃李も広瀬すずも横浜流星も良かったし、子役の2人も良かったです。

 

そしてホン・ギョンピョの映像も素晴らしいですね。

 

「パラサイト 半地下の家族」でも印象的だった雨のシーンと、雲の間から見え隠れする綺麗な月、湖の対照的なキラキラした映像などどれも良かったです。

 

この作品は先日見た「正欲」と似たような部分もありましたが、私が連想したのは日本アカデミー賞作品の2011年公開の「八日目の蝉」でした。

 

どちらも誘拐犯とその後の人生を描いている点で、私の中では妙にリンクしたのです。

 

この作品も昨年の日本アカデミー賞で優秀作品賞に選ばれましたが、大賞は「ある男」が受賞しています。

 

私の「ある男」の評価は2.5でしたが、こちらは3.0なので、軍配はこちらの作品です。

 

柄本明の本編にあまり関係ないような出演は、いらなかったような気もします。