今年に入っての洋画7作品目は『ポップスが最高に輝いた夜』です。

 

この作品は、バオ・グエン監督による2024年の音楽ドキュメンタリー映画で、あの有名な楽曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」の創作とレコーディング風景、関わった人々のインタビューを基に製作されました。

 

2024年1月19日にサンダンス映画祭の特別上映の一環として公開されましたが、1月29日よりNetflixで独占配信されています。

 

『ポップスが最高に輝いた夜』

2024年1月29日 アメリカ・イギリス 1時間36分

配信 Netflix

監督 バオ・グエン

出演 ライオネル・リッチー、マイケル・ジャクソン、スティービー・ワンダー、ダイアナ・ロス、ティナ・ターナー、ブルース・スプリングスティーン、ヒューイ・ルイス、シンディ・ローパー、シーラ・E、ディオンヌ・ワーウィック、ビリー・ジョエル、ボブ・ディラン

評価 4.5

 

 

「ウィ・アー・ザ・ワールド」といえば、1985年にアメリカで「USAフォー・アフリカ」として集められた有名アーティストによるチャリティー曲です。

 

アフリカの飢餓を救おうと制作され、世界的に大ヒットして多額な寄付金を集めることに成功しました。

 

私はこの時23歳、マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダー、ブルース・スプリングス・ティーンなどに夢中になっていた頃でした。

 

あれから40年近く経ち、この楽曲の制作の苦労話や収録の様子が見れるとは思っていなかったので、それだけでも感動です。

 

そして現在のアーティストたちの生のインタビューもあります。

 

ライオネル・リッチーはこの人誰?というくらい変わっているし、ブルース・スプリングスティーン、ヒューイ・ルイス、シンディ・ローパーなどの現在の姿を見ることができます。

 

シンディー・ローパーはまだ70歳ですが、他の皆さんはすでに75歳以上です。

 

マイケル・ジャクソンはすでにこの世にいませんが、これだけでも貴重な映像だと思いました。

 

そして驚いたのが、当初プリンスもこの楽曲に招集されていたということですね。

 

参加は叶わなかったけれど、そのパートをヒューイ・ルイスが代わりに歌っていたとは驚きです。

 

ボブ・ディランは、自分のパートをうまく歌えなくて、スティービー・ワンダーが即興でディランを真似して歌ったことで、歌い方がわかったというエピソードなどもありました。

 

エンド・ロールでこの楽曲が流れますが、日本語字幕付きなので、今さらながら歌詞の意味を深く理解できます。

 

何度も聞いた歌なので、なんなら言語で歌えるくらい英語の歌詞の方が頭に残っていますね。

 

ボランティアなのに、夜の11時から朝の8時まで収録に時間がかかっていました。

 

それでもティナ・ターナーは、この奇跡のような時間が終わって欲しくないと言っていたのがとても印象的でした。

 

参加している歌手がこの歌の意義をしっかりと理解し、皆本気で歌っている姿に何度も涙があふれました。

 

この曲のほとんどを制作したマイケル・ジャクソンの才能には、改めて感服させられます。

 

またプロデューサーのクインシー・ジョーンズは、40人のスターをまとめ上げる手腕と、それぞれの持ち味が十分に生かされるパート割りをしているところが本当に凄いです。

 

この映画を見て、YouTubeでフルコーラスを何十年ぶりに聞いてみましたが、背景を知って見ると更に感動します。

 

 

こんな貴重な裏側が見れて、オールドポップスファンには堪らない映像でした。

 

ドキュメンタリー映画ですが、それでも評価は4.5です。