韓国映画総括の前に、1年半ぶりに日本アカデミー作品賞のご紹介です。
2022年の第45回日本アカデミー作品賞「ドライブ・マイ・カー」を見たのがその年の4月、2023年の第46回日本アカデミー作品賞である「ある男」がなかなか配信されないので、9か月経ってやっと見ることができました。
この作品は現在Amazon primeやU-NEXTで有料配信されていますが、私は保有ポイントの中から399ポイントを使っての視聴です。
この作品は、平野啓一郎による長編小説を映画化したものです。
自分なりの採点を5点満点で評価。
5最高傑作 4感動 3面白い 2面白くない 1なぜ賞を?
第46回日本アカデミー最優秀作品賞
『ある男』
2022年11月18日 2時間1分
配給 松竹
原作 平野啓一郎「ある男」
監督 石川慶
出演 妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝、清野菜名、眞島秀和、仲野太賀、真木よう子、柄本明
評価 2.5
日本アカデミー賞は、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、録音賞、編集賞と前年の「ドライブ・マイ・カー」と同数の 8部門 を受賞しました。
ちなみに第46回の最優秀アニメーション作品賞は「THE FIRST SLAM DUNK」です。
作品賞候補には「シン・ウルトラマン」「月の満ち欠け」「流浪の月」などがありましたが、正直対抗馬が弱かったのかなと映画を見て思いました。
私はもちろん小説は読んでいませんが、映画だけを見るとちょっと内容が薄いような気がしました。
他人の名前を名乗らなければ生きていけない男たちが、この物語の本線です。
殺人犯の息子である谷口大祐(小林誠)は窪田正孝が演じましたが、なぜ他人の名前を名乗って遠い地にやってきたかについては、深く丁寧に描かれていました。
しかし老舗旅館の次男である本当の谷口大祐が、なぜ名前を交換したかが全く不透明で、仲野太賀に至っては台詞すらありませんでした。
また、妻夫木聡が演じる在日朝鮮人の過去を持つ城戸弁護士も、名前は変えませんがそういった闇を抱えて人生を生きています。
最後はこの城戸弁護士が「ある男」を演じて映画は終わりますが、彼の素性についても掘り下げが少し足らないような気がしました。
もっと深く知りたければ、小説を読めということなんでしょう。
しかし俳優陣の熱演はさすがに良かったですね。窪田正孝は何をやらせてもうまいと思います。
安藤サクラがまた泣きの演技をしていますが、どうしても「万引き家族」を思い出してしまいます。
重鎮の柄本明も重要な役どころで出てきますが、正直言ってこの人は何を言っているのか聞き取れない時があるんですよね。
この役は、別の人が演じた方がもっと良い仕上がりになったのではないかと個人的には思いました。
小説だけあって内容はとても面白いですが、全体的に中途半端な映画のような気がするのは私だけでしょうか。
評価は2.5です。
明日から「黄龍王しげの韓国映画ベスト100!」をシリーズで6日連続でお送りします。
明日はまず【評価別ランキング】1位から20位の発表です。
100作品の中のナンバー1はどの映画なのか?
どうぞ、ご期待ください!