第2話 女子高生に注意する私

 

男子高校生に注意すれば、女子高校生にだってします。

 

前回の話からはだいぶ時間が経過し、これはまだわずか5年ほど前のお話しです。

 

私は会社からの帰りは、新宿駅から埼京線に乗って赤羽駅で宇都宮線に乗り換えます。

 

いつも前の方の車両に乗るので、いつものようにホームの前の方まで行くと、そこに女子高生の3人組が並んでいました。

 

 

しかし、明らかに前の人とは2m以上の間隔が空いています。

 

とても前の人の列に並んでいるようには見えず、私はその空いている場所に入って列に並びました。

すると、女子高生のリーダー格みたいな子が、後ろから私に声をかけてきたのです。

 

「あの~、並んでるんですけど。」

私は振り向きざまに、

「は?並ぶというのは前の人との間隔を空けないでするものだ。それでは並んでいるとはいわない。そのくらい学校で教わらないか?」

コロナ禍に突入していたら、絶対に言えないセリフだった。

そしてこう畳みかけます。

「君らの後ろに並んだら、ホームの端まで行ってしまう。そういうことも考えて、きちんと前の人と間隔を空けないで並べ!」

もはや修学旅行の引率の先生が言いそうなセリフである。

 

女子高生たちは、不意に怒られたのことに不満げな表情は浮かべていましたが、反論する言葉がなかったのか私の顔が怖かったのか、そのまま黙り込んでしまいました。

 

 

​電車がホームに来た頃には、私の後ろにいるはずだった女子高生たちは、違う場所に移動して電車に乗り込んでいくのが見えました。

おそらくこのまま同じ場所に電車に乗り込んだら、車内でまで説教されると思ったんでしょう。

車両の後ろの方で「あの親父、うぜえ。」と言っていたであろうことは、確実に予想ができました。

 

第3話「ボックス席で足を伸ばす親父・その1」へつづく。