第20話 安全牌は必要か
1月も早くも最終日となりました。最終日も麻雀の話題で締めたいと思います。
私は韓国ドラマばかり見ている印象があると思いますが、月火木金のMリーグ中継は、毎日欠かさずに見ています。
そのMリーグの実況と解説で毎回話題となるのがこの「安全牌」についてです。
親や他家からのリーチがいつ来てもいいように、どうやって安全牌を確保しながら手を進めるのかを解説しています。
一発裏ドラ赤ドラ麻雀なので、リーチに対しての一発振り込みを回避するためです。
Mリーグに関わらず、攻めと守りのバランスを重視する打ち手は、常に安全牌を抱えながら打ち回している人が多いのも事実です。
勝てる麻雀をするためにも、これは必然的な行為なのです。
しかしこの安全牌、それに固執しすぎると常に自分の手牌を狭めながら打つことになってしまうのです。
手がまだまだ広がる可能性もあるのに、この安全牌を持っていたいがために受けを狭くして打たなければいけないということです。
そういう意味で、自分のあがりを優先するならば、安全牌を残して打ち回していくのは実は得策とは言えないのです。
わかりやすく例をあげて説明しましょう。
こういうイーシャンテンの形になったとします。
ツモ ドラ
役は今のところ平和しかありません。
この手牌、安全牌を残しながら打つと平和とドラ入りの面子を確定させ、ドラ近辺の危険な を早めに処理しておくのが通常の打ち方です。
を雀頭に固定し、安全牌の を残して他からのリーチにも備えられるからです。
しかし私はこの手牌の場合、安全牌などは残さずに間違いなく を切ります。
赤入り麻雀をしている時に限られますが、この場合 を持ってきたときのデメリットが大きすぎるからです。
しかし、このように目いっぱい手を広げて打ち回していると、後々危険な が手の中に残ってしまうことになります。
安全牌を持たないで、他家から先にリーチが入ったらどうするのでしょう?
そうした場合、相手のリーチに対する読みと自分の点数状況、そして自分の手牌に勝ち目があるかどうかを判断することです。
そして行くと決めた場合は、ベタ降りではなく回し打ちをするのです。
この回し打ち、この麻雀シリーズの最後に詳しく解説するつもりですが、これをできる人は安全牌が手牌になくても困らないのです。
安全牌って言っても、たかが1巡だけ、一発を回避するだけのものです。
その後は、読みを働かせて回し打ちをしなければならなくなるので、結果的には同じなのです。
こうした理由で、私は自分の手牌の方向性、手役が完全に確定してからでないと安全牌を持ちません。
誰よりも早くテンパイをし、誰よりも早く高打点であがることが勝てる麻雀の必要条件だと思っているからです。
・・・とはいえMリーグの舞台は個人戦ではありません。
赤牌ありの高打点が飛び交うチーム戦です。
他家のリーチに対しては、誰もが一発で振り込みたくはありません。
確実に通る安心安全なこの1牌を、常に手の中に抱えておきたいという気持ちは、痛いほどわかります。
第21話「役満は狙わないとあがれない」へつづく。