今週くらいからモンドTVで、モンド麻雀プロリーグ「第2回名人戦」が再放送されている。
 
名人戦は今年で14回目を迎えるので、実に12年前に放送された番組だ。
名人戦とは、50歳以上のプロ雀士に参加資格が与えられるいわばレジェンド対局。
第1回名人戦は、今は亡き、飯田正人プロが優勝している。
 
 
この第2回の出場者は、最高位戦日本プロ麻雀協会から飯田正人プロ、
新津潔プロ、金子正輝プロの3名。
 
日本プロ麻雀連盟からは、こちらも今は亡き、小島武夫プロ、伊藤優孝プロ、そして安藤満プロが参加予定だったが、この第2回大会直前に安藤プロが亡くなられ2名での出場となった。
 
​従って第2回名人戦は、6名で戦う予定が急遽5名での対戦となったのだ。
過去最少人数であろう。
私も久しぶりにこの名人戦の古い対局を見たが、皆、非常に個性的な麻雀を打っていて実に面白い。
 
実況が日本プロ麻雀協会の土居泰昭プロで、解説が馬場プロだったので、実況も解説も対戦者の打ち筋について言いたい放題(笑)。
小島さんだったらここはこう打つでしょうとか、金子さんは牌流定石なのでこうするんだよねとか、優孝さんは相変わらず決め打ちが多いね、とか(笑)。
 
そして、対戦中に実況と解説から随所に聞かれるのは、
「さすがは飯田さん。」という言葉。
 
参加者の中では、モンド杯も優勝しているのが唯一飯田プロのみで、
第1回の名人戦もこの方が優勝しているのである。
 
実はこの方、亡くなられる直前の第6回名人戦でも優勝しており、第3回と合わせると実に3回も名人戦で優勝しているのである。
本当に強かったな、と今でも思うレジェンドの一人だ。
日本プロ麻雀連盟会長の森山茂和プロが、以前解説で飯田プロに対し、
 
「飯田さんは、神経のどこか線が1本切れているんではないか?とにかく前に出るときは恐れを知らないのか何でも切ってくる。」
 
ということを言っていたのが、今でも印象に強く残っている。
飯田プロの麻雀は、自分の手牌に正直で、自分があがれる局面だと思ったときは押しまくる麻雀なのだ。
 
それから形にあまり固執しない。
リーチしてツモ!リーチしてツモドラ1!みたいな攻撃がやたら多かったイメージだ。
要するに、魅せる麻雀ではなく、あまり役に固執しない牌効率優先の麻雀だったんではないだろうか。
従って、見ていても面白くはないが(笑)、勝つ麻雀とは実はこういう麻雀をいうのかもしれない。
対戦相手の人が良く言うのが、飯田さんは「とにかくなんでもツモっちゃう。」
でもこれ、本人に言わせれば、ツモれるような待ちにしているからなんだと思う。
出あがりは一切期待せず、ツモれる麻雀をトコトン追求する。
高打点を連発する麻雀ではないが、一緒にやっていて一番嫌な相手かもしれない。
本人が亡くなってしまった今でも、こうして個性のある対局を見られるのは何とも幸せなことだ。
 
それにしても、新津プロって目立たない(笑)。
でもこの第2回名人戦、実は新津潔プロが優勝するのである。