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第125話 エネルギー源

「もっと根源的な原動力があるんですよ。」

「なんでしょうか?」

「それは、エネルギーなんです。」

「はあ。エネルギーって具体的に何ですか?」

「例えば、人間はなぜ生きていられるのでしょう?

もっというなら、何をエネルギー源として生きていますか?」

「えっと、食べ物と水と酸素でしょうか?」

「そうですね。これはまぎれもない事実です。

肉体的には、例えば、食べ物を絶ったら、

次第に動くことさえできなくなり、やがて死んでしまう。」

「はい。」

「でも、人間のエネルギーってそれだけじゃないんですよ。

これを理解すると、人間のしくみがわかるんです。」

「人間のしくみ・・・」

「はい。実は肉体以外のエネルギー源を知る

ことで、その人の全体像がわかり、その人の

縮図を表すことができるんです。」

「肉体以外と言いますと?」

続く・・・・・・

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第124話 原動力

「真実を知る瞬間は、いつも怖いものですよ。」

とまどっている涼子をからかうように浅井は言った。

「まず、人間のしくみについてカンタンに説明しましょう。」

「はあ。」

(何が始まるのかしら)

涼子は心の中で思った。

「斉藤さん、人間の原動力ってなんだと思いますか?」

「・・・目標とかやりがいとかですか?」

「そうですね。でもそれだと人それぞれって

なってしまいますよね? もっと総論的に・・・」

「快と痛みだと思います。人は、快を求めて行動するし、

痛みを避けるために行動します。」

「さすが、勉強されてますね。もちろん、それらも

原動力になると思います。でも・・・、もっと根源的な

原動力があるんですよ。」

「なんでしょうか?」

「それは・・・」

続く・・・・・・

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第123話 人間の縮図

「できました。これが武くんに描いた絵の斉藤さんバージョンです。」

「はあ・・・。これ、ロボットですか?」

涼子の顔には、“まったく意味がわからない”と

あからさまに書いてあった。

「引きこもっていた武くんに普通に言っても聞か

ないでしょ。でも彼、ロボットアニメのファンなんですよね。」

「はあ。」

「でもね、バカにしないでください。

ロボットを描くなんて、一見ふざけていますが、

今から言うことを聞くと、きっとビックリしますよ!」

浅井は自信満々に涼子に言った。

このとき、涼子は、この“ロボットアニメ”のイラストが、

自分の縮図であるなんて夢にも思わなかった。

続く・・・・・・