(はじめてこのブログをご覧になる方は、第1話 よりお読みください。)


第128話 大きな盾

「武くんのことを理解するために、
まずは涼子さんの絵を見ながら説明しましょう。」

武くんのことがわかるならと涼子は聞く耳を
持つことにした。

「はい。」

「まず涼子さんのロボットを見てみて
ください。右手にマシンガンを、左手に
大きな盾を持っています。」

「確かに。これっていったいなんですか?」

「一つ一つ説明していきますのであわて
ないで聞いてください。」

「わかりました・・・」

「まず左手の盾を見てみてください。
盾って何をするためのものですか?」

「もちろん相手の攻撃から身を守るための
もの
です。」

「そう。人間は、外からの攻撃から身を
守るために、自分の中に“盾”を持って
いるんです。」

「自分の中に盾を・・・ですか?」

涼子はまったく意味がわからなかった。

「そうです。人は盾を使って、外からの
攻撃をかわしたり受け止めたりする
んです。」

「さて、涼子さんの盾は・・・何でしょうか?」

浅井は、涼子の頭の回転をトップスピードに

するために、あえて答えが絞りこめないような

質問をした。

続く・・・・・・

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第127話 絵の中身

「確かに、感情も考え方も知識も経験も

意志も見えないし計れない・・・」

だから、自分の状態がわからないんですよ。

それを見えるようにしたのが、このイラストなんです。」

浅井が描いたイラストは、ちょうどガンダ○のような

アニメの戦闘用ロボットのラフ・スケッチだった。

ちょうど、大きな盾と大きな剣を持っている巨大な

ロボットがこちらに向かっているアングルだ。

涼子は、イラストを見せられた瞬間、浅井に表情を

悟られまいとわざとにこやかに振舞った。

(もしかして単なる変人なのかしら・・・)

「これが斉藤さんです。そして・・・」

そのはるか後ろには、小さな小さなロボットが

たくさん見えた。それはまるで涼子のロボットを

追いかけているかに見えた。

「そして、後ろから斉藤さんを追いかけている

ロボット。これらは、斉藤さんの周りの人たち。

すなわち、同僚、上司、クライアント、友人などを

指しています。」

「はあ。では、このメーターみたいなのは何ですか?」

「あなたのエネルギーレベルを計るメーターです。」

「エネルギーレベル・・・ですか。」

涼子はますますうさんくさそうな顔になった。

その顔を見て、浅井は言った。

「あ、斉藤さん。引かないでくださいね。

武君のことが知りたかったんですよね? 

ここで引いてしまうと、武君のことなんて

永久に理解できないですよ。」

「はい・・・。」

(この人には心が読まれてるわ。)

続く・・・・・・

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第126話 自分の状態

「はい。実は肉体以外のエネルギー源を知る

ことで、その人の全体像がわかり、その人の

縮図を表すことができるんです。」

「肉体以外と言いますと?」

「例えば、感情。感情が原動力になることは

おわかりになりますよね?」

「はい。ほめられてうれしいと思わず頑張ったり、

怒りでとんでもない行動に出たりするとかですね?」

「そのとおり。あと、考え方が原動力になったり、

知識や経験が原動力になったりします。」

「わかります。スゴいノウハウを勉強すると、

すぐにやってみたくなります。これって、知識が

原動力になる例ですね?」

「そうです。あと、意志というのもあります。

人間、こうするぞ、と強く思ったら、すごい力を

出せたりしますよね。」

「はい。意志も原動力になるということですね?」

「そのとおり!ここで一つ問題があります。

それは、これらの原動力になる要素は、

目に見えなかったり、計れなかったりすること

なんですよ。」

「確かに、感情も考え方も知識も経験も

意志も見えないし計れない・・・」

だから、自分の状態がわからないんですよ。

それを見えるようにしたのが、この絵なんです。」

続く・・・・・・