今日は立春、昨日は節分でした。
幼い頃、節分の夜になると、私と姉たちは特別な場所へ出かけました。それは、地域のお寺の本堂。檀家の人々が集まり、厳かな雰囲気の中で豆まきが行われるのが恒例でした。
大きな本堂の中央に立ち、住職の唱えるお経が響く中、袋に入っていない福豆が勢いよく撒かれます。「鬼は外!福は内!」という力強い声とともに、私たち子どもは夢中になって豆を拾いました。床に落ちた豆をすばやく手に取る競争のような感覚があり、それもまた楽しみの一つでした。
姉たちと一緒に拾った豆を数えたり、家に帰ってから年の数だけ食べたりするのが、当時の小さな幸せでした。あの温かな灯りの中で、みんなが笑顔になっていた光景は、今でも心に残っています。
しかし、時代とともに節分の豆まきも変化してきました。最近では、衛生面の配慮から、豆は袋に入れられて撒かれることが増えています。直接拾う楽しさは少し減ったかもしれませんが、福を願う気持ちは今も昔も変わらないもの。新しい形で続いていくのもまた、時代の流れなのかもしれません。
昔の風景を懐かしみながら、今年も「鬼は外!福は内!」の声を響かせ、福を呼び込もうと思います。