ぜんそく治療薬が有効? 米研究で、
プロスタグランジンは、
体の中で合成される物質で、種類によって
血圧低下や発熱、骨新生などさまざまな作用を持つが、
米ペンシルベニア大学の
(現・米ジョンズホプキンス大学皮膚科)
Luis A.Garza准教授らは、
このプロスタグランジンが
発毛速度の調節も行っていることを明らかにし、
米医学誌「Science Translational Medicine」
(2012; 4: 126ra34)に発表した。
同准教授らは、
ぜんそく治療薬として開発中のGPR44阻害薬が、
男性型脱毛症(AGA)に有効な可能性があるとしている。
脱毛や薄毛の原因として最も多いのがAGAで。
以前から遺伝的要因とホルモンの影響が組み合わさって
発症すると推測されていたが、
正確な仕組みは分かっていなかった。
脱毛症の治療薬は現在、ミノキシジル(リアップなど)と
フィナステリド(同プロペシア)の2種類のみが承認され、
これらの薬剤の効果については個人差がある。

Garza准教授らは、
今回、20人を超えるAGA患者の頭皮を分析し、
同じ患者の頭皮でも、
毛髪のある部分と比べ、無い部位では、
プロスタグランジンD2生成酵素の値が上昇し、
プロスタグランジンD2の値も高いことが分かった。
このプロスタグランジンD2と
発毛との関連性についてはこれまでは知られておらず、
また同准教授らは、
培地に移植したヒト毛包から成長した髪に、
プロスタグランジンD2を加えることで
発毛が抑制されることを確認した。
さらに、マウスの皮膚に
プロスタグランジンD2を直接塗ったところに
同じ現象が観察された。
今回の研究では、
プロスタグランジンD2が
GPR44と呼ばれる干受容体にくっつくと
毛包の成長を停止させることも確認できた。
そのため同准教授らは、
「GPR44を阻害することで、
AGAの進行を遅らせる可能性がある」と述べている。
興味深いことに、
GPR44阻害薬のいくつかはすでに、
ぜんそく治療薬として臨床試験で検討されており、
同准教授らは今回の結果が研究室外でも再現されれば、
AGA患者を対象とした臨床試験で、
GPR44阻害薬の有効性が評価されることになるとみている。
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