こんにちは照れ

『た』

たちまちの内に時は流れ、

今はあなたのその長く艶やかな黒髪も、

その薄く小さなピンクの唇も、

そのか細く華奢な肩の付け根にある

真横に並んだ二つの小さなホクロも、

その綺麗な小さな手の

端正に整えられた美しい爪も、

私は鮮明に

もう思い出すことは叶いません。

その顔も、その存在すらも

忘却の彼方がそれらを

深く丁寧に沈み込ませていく。

でも、不思議だね。

ある日、

街角ですれ違った見ず知らずの人から香る

ほのかに甘い果物の香りが、

私の鼻腔をたちまちに駆けぬけて、

刹那にあなたが目の前に現れくる。

でも、

やっぱり姿形や顔なんて

てんで分からなくて、

ただの想念のように不確かな

儚さに過ぎないボンヤリとしたもので

はあるのだけれど、

でも、

確かにその瞬間にあなたは居た。

私の中に確実に。


そして私は暫し立ち止まり、

暫し都会の薄汚れた空を仰ぎ見て、

薄汚れた空の薄汚れた空気を

薄汚れた自らの肺一杯へと吸い込んで、

ゆっくりとまた、

元の道を前へ前へと踏み出していく。

もっと薄汚れていくのだろうか、

それとも

どうしようもなく汚れたことすら

気づかないままに死にゆくのだろうか、

それを私は知るすべはなし。


ただ、

あなたが現れたその瞬間だけは、

綺麗な自分が戻ったような気がしたんだ。


その一瞬だけはね。


素敵な午後を照れ

本日は、YouTube

「歩み」



昨日 登山をしてきました。
その模様です爆笑



津村健司