ある企業の研修では数年前から、研修室内の各テーブルの上にお菓子が用意されています。

 

お客様先にご迷惑の及ばないように、会社の休日にあたる土曜日を研修日に設定しているための社員さんに対するご配慮です。

 

この会社の研修を担当し、お菓子を見るたびに時代の流れをつくづくと感じます。

 

当時、顧問をされていた方のご紹介でこちらの会社様とのお付き合いが始まりました。

 

当時の教育部門の責任者は鬼の様な厳格な方でした。

 

講義中にしゃべりすぎて、のどが渇きバッグの中からペットボトルの水を受講者の皆さんには見えないように飲みました。

 

次の休憩中、その日事務局を担当していた責任者の方が「受講者が我慢しているのに講師が水を飲むとはいかがなものか」と叱られてしまいました。

 

十年以上も前の出来事です。

 

しばらくして、熱中症が世間で騒がれるようになり、ようやくこちらの会社様も演壇に講師用のミネラルウォーターを用意していただけるようになりました。

 

また数年後、受講者も研修中もペットボトルの飲料なら可とのお達しが出ました。

 

それが今ではテーブルの上にお菓子まで用意されています。

 

責任者が退職され、新しい責任者になってから様々な変革がなされました。

 

その一環として、せっかくお休みの日に研修に来ているんだからと、受講者全員にお弁当も用意されるようになりました。

 

しかし、受講者の方々はお弁当やお菓子が用意されているのが当たり前と思っています。

 

用意されるようになった経緯を知りません。

 

従って、わがままなことを平気で言ってきます。

 

お弁当の揚げ物が苦手とか、お菓子はチョコレートがいいなど。

 

会社や事務局の意図も知らずにサービス化を受けるのが当たり前のお客様気分のようです。

 

先日も食べきれないほどの様々なお菓子が並んでいました。

 

皆さん遠慮して手を付けませんでした。

 

「皆さんが食べずに残ってしまうと、次回以降の受講者のお菓子が削減されてしまいます」と冗談半分に声をかけると、急にワイワイガヤガヤのリラックスムードとなりました。

 

研修事務局の方々の努力が報われた瞬間とも感じました。