ある地方都市での出来事です。

 

某企業様の新入社員研修を二泊三日の合宿形式で行っていました。

 

こちらの会社、その地方では超がつくほどの有名企業です。

 

聞くところによると、入社試験では何倍もの倍率を勝ち抜いた人だけが入社出来るとのことでした。

 

たまたま、その地方の知り合いがいて研修前に話を聞くと、「あの会社に入社出来たら一生安泰だ」と真顔で言っていました。

 

その分、研修はとても厳しい内容でした。

 

人数が多く、3クラスに分かれて研修を行いました。

 

新入社員のため、共通する研修項目は足並みをそろえる目的で大ホールで合同研修を行いました。

 

消灯時間も厳しく管理されていました。

 

ただし、これは研修講師としては日常よくある光景でした。

 

しかし、現代っ子にとってみれば、経験したことのない未知の世界だったと思います。

 

消灯状況の見回りを済ませて講師も各居室に戻りました。

 

翌朝、異変が発生していました。

 

朝礼で点呼報告を受けると、各クラス2~3人人数が不足していました。

 

ストレートに表現すると、夜中の内に逃げ出していました。

 

こうなると、研修事務局は大変です。

 

誰がいなくなったのか、荷物は、健康保険証はなど大慌てでした。

 

中には「退職願」とノートに走り書きをして、宿舎を後にした新入社員さんもいました。

 

事後処理は事務局にお任せして、講師は研修に全力投球しました。

 

午前中の休憩時間のことです。

 

当たりが騒がしくなったので見に行くと、逃げ出した新入社員B君がお父さんと謝罪に来ていました。

 

どうやら逃げ出したことを家に帰ってお父さんに話したそうです。

 

すると、叱られ説得されもう一度研修に参加させてもらうために嘆願に来たとのことでした。

 

B君とお父さんが新入社員みんなの前で謝罪していました。

 

新入社員の皆さんはお父さんの本気の姿勢を感じたようで言葉も出ませんでした。

 

その後、B君は後れを挽回するために一生懸命に取り組んでいました。

 

研修講師として活動していると様々な場面に直面します。