会社内の人材育成のとりまとめ総務部門や人事部門が行います。
大規模な会社だと人材育成部門が独立した組織として活動している場合もあります。
たいていの場合、総務か人事の課長・係長職の方が研修の事務局になります。
27年間研修講師を務めてくると、様々なタイプの研修事務局担当者にお会いします。
今回は、あわや大惨事につながる寸前まで行ってしまった失敗談をご紹介します。
企業に出向いて研修を担当する場合、初めに研修事務局からご要望を伺い、研修プログラムを作成します。
その上で、事前に打ち合わせを行い内容のすり合わせを行います。
GOサインをいただいて、研修実施となります。
当然、研修当日に最終確認を行う場合や追加のご依頼をお受けすることもあります。
ある会社で一日研修を行いました。
課長職の階層別の研修でした。
事務局のご担当は総務部門の課長です。
研修当日、応接室で最終打合せをしていました。
すると、事務局から「参加者はみんな仕事をなめています。徹底的に厳しく指導してください」と突然追加のご要望が入りました。
もともと陸上自衛隊に勤務したり、「厳しい研修」を行っていた研修会社の出身なので対応可能です。
しかし、「徹底的に厳しく」とはとらえ方が人それぞれなので念のために確認しました。
「どの程度の厳しさを求めていますか」とストレートに聞きました。
そもそも「厳しい」という言葉の意味をはき違えている人は世の中に沢山います。
間違った方向に研修が進んでいっては困りますので、念には念を入れて確認しました。
すると、「以前テレビで観たことがある富士山の近くでやっている〇〇の訓練のようにお願いします」とのことでした。
「もう少し、具体的に教えてもらえますか」と突っ込んで伺いました。
すると、大声でスピーチさせてほしいとか、何回も駄目だしを出してほしいなどと言ってきました。
完全に誤解されていました。
どうやら私がその〇〇の訓練の訓練講師を9年間担当していたことをご存じないようでした。
同僚の課長職を研修を通して懲らしめてやろうとする魂胆がみえみえでした。
その場は「分かりました」と言って研修に突入しました。
受講者の言動観察しましたが、やはり事務局担当の方が言っていたことは感じ取れませんでした。
真面目な受講者の方々が大変なことになる寸前でした。
「厳しい」とはどの様なことを言うのか?この会社の事務局担当の方がイメージしていた「厳しい」とは偏った考えです。
厳しいとは
1. 安易な妥協がないこと
2.的を射ていること
3. 私心がないこと です。
本当の意味を理解せず、表面上のことだけで物事を進めてはいけません。
この様に本質を見誤っている事務局担当者の思い通りの研修を進めると、大変なことになってしまいます。
いろいろな意味で大惨事にならなくてよかったケースでした。

