基本的に研修講師のスタンスは来るものは拒まずです。
前回は若い歯科医師のケースを紹介しました。
今回は市議会議員選挙を前にした立候補予定者の方が研修に参加した時のことを記事にしてみます。
研修に送り出した責任者は某企業の労働組合の委員長でした。
お話を伺うと、毎回市議会議員選挙で労働組合出身者を一人送りだしていたそうです。
しかし、今回の選挙は下馬評によると大変苦戦する予想があり、打てる手は何でも打つ方針になったとのことでした。
受講者の方は、労働組合の役員を務めている人で結構弁が立つ人でした。
研修を進めて行っても特に問題に感じることはありませんでした。
個別カウンセリングの時間に、お話を聞いてみました。
すると、「話を聞いている人の心に響く話し方を身につけたい」と本音が聞こえてきました。
ここから研修講師としての腕の見せ所でした。
ここで登場するのが「闇夜のカラス」です。
即ち目的が何かを明確にすることです。
カウンセリングなので、
「こうしなさい」
「ああした方がいいですよ」
と一方通行の押し付けのティーチングは厳禁です。
基本は質問を行い、本人に答えを考えてもらう双方向のコミュニケーションがポイントになります。
講師 「研修に参加した目的は?」
受講者「人の心に響く話し方を身につけたい」
講師 「それは何のため?」
受講者「選挙で当選するため」
講師 「それは何のため?」
受講者「・・・」
簡単に表すとこんな流れです。
当然ですが、本当の目的は他にありました。
本当の目的が明確になると、研修中に何をするべきなのかはっきりしました。
当たり前のことですが、「人の心に響く」ためには小手先の演説スキルより、ご自身の人間性・人間力を磨く必要があります。
問われるのは「形」と「心」です。
形式的な話をされても聞いている人の心には響きません。
その話の中にどれだけ話をする人の「心」を入れるかです。
演説が上手に出来なくてもいいんです。
下手でも本気で有権者のことを考えて、自分に出来ること・今後行っていくことを真摯に一所懸命に話をすればいいんです。
研修終了時、「大きな考え違いをしていました」と猛省していました。
当然、選挙で当選し、今も有権者のために活動しています。
目的を見失わないことはやはり大切です。
