忘れもしない誕生日があります。

 

それは1990年の誕生日です。

 

当時は、香港に貿易関係の研修を兼ねて駐在員として赴任していました。

 

そのため、現地の社長をはじめ香港人のスタッフ総出で広東料理で祝ってもらいました。

 

香港は中国に返還前で、とても景気が良く活気に満ち溢れていました。

 

日本はというと、バブル景気の真っただ中でした。

 

本社からのお客様などを香港の空港まで、ベンツのリムジンでお出迎えし香港観光のアテンドをほぼ毎週のように行っていました。

 

大学を卒業したばかりなので、本社の上司からの命令は絶対でした。

 

疑問に感じたこともありませんでした。

 

即ち、言われたことを言われた通り行うだけでした。

 

工夫改善する必要もなく、1から10まで指示されたことを行っていればお給料とボーナスがもらえました。

 

しかも、外国為替のレートによっては臨時ボーナスが出たりもしました。

 

郵便局の金利は定期預金だと「ハロー幸せ」のキャッチコピーの通り、なんと8.64%でした。

 

もちろん、金額によって上下はありましたが。

 

そんな時代ですから、余計なことはしなくていいんです。

 

言われたことをガムシャラに行っていれば欲しいものは何でも手に入りました。

 

上司の言うがまま、会社の指示通り、政府の政策の通り 

 

  「ハイ、分かりました」

 

と従っていれば幸せさえも手に入ると感じるような完全な「筏下り」の人生を歩んでいました。

 

現代風に言うと「頭の中がお花畑状態」でした。

 

昔を懐かしく思う気持ちはありますが、当時に戻りたいとは思いません。

 

周りに流される「筏下り」の人生はまっぴら御免です。

 

私の場合、バブル崩壊とともにある意味気楽だった「筏下り」から足を洗いました。

 

そして、人前に立って指導や教育を行う研修講師として「山登り」を始めました。

 

最近、普段の研修の中で受講者の方々にお話ししている内容を振り返ってみました。

 

成功したことも失敗したことも自分が経験してきたことを話しています。

 

机上の空論はありません。

 

だからこそ説得力があるんだろうなと勝手に思っています。

 

特に、新入社員や若手社員の研修だと「筏下り」の方が多く見受けられます。

 

そのため、「会社や上司に流される人生でいいですか?」と理由も含めて、問いかけます。

 

理由を理解すればたいていの人は「No」と返答します。

 

それでは自分に出来ることから始めるように伝えるのですが、なかなか悪しき習慣を変えられないのが実情です。

 

一人でも多くの人を「筏下り」から「山登り」の人生に導いていくことが出来るように、奮闘努力していきます。