担当している研修でこんなことがありました。

 

休憩中に資料を整理していると、受講者の一人が質問に来ました。

 

この方は、受講者の中で最年長でした。

 

50代後半で部下100人以上を束ねている部門の責任者で、とても意欲的に受講していました。

 

一瞬「なんで、講義中に質問に来ないのかな」と感じましたが、話を聞くと納得しました。

 

こちらの会社は、数年前から60歳の定年後に65歳まで一年ずつの再雇用を行っていました。

 

従って、部下の中には自分のかつて上級上司だった方や先輩が多くいて、いろいろとやりにくいことが発生しているとのことでした。

 

詳細を聞かないと、アドバイス出来ませんので突っ込んで状況を伺いしまた。

 

すると、64歳の元上司が言うことを聞いてくれないとのこと。

 

特に、社内で決められたルールがあるのに「このやり方の方がいいから」などと言って、ルールを平気で無視している。

 

何回注意しても聞いてくれないとの悩み相談でした。

 

どうやら、他の受講生には立場上聞かれたくないことのようでした。

 

研修講師としてこのような相談をいただくと「待ってました」と大変うれしくなってしまいます。

 

職業病です。

 

ただし、数年前までは直球勝負でした。

 

つまり、質問に対して「こうした方がいいです」とストレートに返答していました。

 

しかし、国家資格のキャリアコンサルタント取得後はスタイルを変えることにしました。

 

すなわち、一方通行で「この様にしましょう」ではなく。

 

Q&Aを多用して、極力質問してきた人に考えて答えてもらうようにしました。

 

いわゆる双方向のコミュニケーションです。

 

すると、求めている答えを探すプロセスであることに「気づく」ことが出来ます。

 

そのあることの大部分は質問してきた人の「人間力を磨く」領域に関することなんです。

 

今回の場合も、やり取りしている過程で「ハッ」と気づくように仕向けて行くようにしました。

 

詳細は割愛しますが、いかに今まで自分軸(自己中心的)であったのか猛省します。

 

たしかに、今は自分が上司で相手は元上司と言えども部下です。

 

そんな気はなくても、どこかに「わたし上司、あなた部下」のような意識が芽生え、相手軸で考えることを疎かにしていたことに気づきます。

 

人と人の関係に上下はありません。

 

やはり、何歳になろうがどんな役職に就こうが自分自身の「人間力を磨く」ことを忘れては駄目です。