研修会社の講師をしていた時、様々な業界・業種・職種の社員教育、社員研修を担当してきました。

 

決して笑顔を見せてはいけない、葬祭会社のスタッフ研修。

 

某航空会社のケータリングサービスを行っている会社の時間管理に関する研修。

 

歯科医院をチェーン展開している会社の新入歯科医師研修。

 

あげればきりがありません。

 

それぞれ、テーマは違いました。その中でも忘れられない研修が2つあります。

 

1つはマンションの分譲販売を行っている不動産会社。

 

研修のために会社を訪問すると朝礼中でした。

 

ドアを開けると軍歌がボリューム全開で流れていて、全員が大声で歌っていました。

 

研修が始まると、会長が研修室の後方に着席し一日見学していました。

 

研修終盤、会長がいきなり「○○は出て行け」「△△は会社辞めろ」「□□はふざけているのか」と全体の1/3くらいの受講者に駄目だしをしました。

 

研修終了間際のため、落としどころがどこにあるのか瞬時に判断して対処しました。

 

今なら、すぐに労働基準監督署や警察署から指導が入るような雰囲気でした。

 

会長は研修後の打ち合わせで「うちの会社には使えない奴はいらないんだよね」と真顔で語っていました。

 

 

2つ目は、今も業界最大手のある会社での研修です。

 

業種は出してしまうと企業が特定されてしまいますのでマル秘です。

 

営業担当からは「退職内定者のモチベーションアップが目的です」と聞いていました。

 

勝手に定年の方々の次のキャリアに向けた研修だろうと思ってました。しかし、全く違う次元の研修でした。

 

年齢は20代から50代まで幅広い階層でした。

 

研修を進めていくと、会社からリストラ候補にリストアップされ面接の結果退職を決めた人たちでした。

 

会社側としては、会社を辞めていく人に次の就職先でモチベーションを上げて仕事に取り組んでももらおうとの意図の様でした。

 

先ず一番感じたのが、やる気のなさでした。

 

挨拶してもほとんど反応しない。

 

簡単な問いかけをしても無反応でした。

 

中にはおもむろに「一日座っていれば今日の給料出るって言われたから来た」と本音を吐露している人もいました。

 

研修の途中経過はカットします。

 

研修終了時、「やります」「やってやろうじゃないか」「がんばります」など、表現はまちまちですがモチベーションアップ成功でした。

 

 

研修講師としては、研修依頼先のご要望に応え、受講者の満足度を高めて研修を終了するためにあの手・この手奥の手をフル活用でした。

 

会社や世の中の都合で人生を左右される「筏下り」の人、結構多いです。

 

ただし、「筏下り」から「山登り」に方向転換する瞬間が人材育成の現場では行われています。

 

研修講師とは道先案内人だったりして。