研修講師を生業としていると、様々な人との出会いがあります。
研修会社を立ち上げた頃、企業の人材育成のお手伝い以外に一般の方を対象にした公開セミナーを開催していたことがあります。
日本交流分析学会の正会員として、心理学を一般の方に分かりやすく伝えて、人間関係やコミュニケーションを円滑にしてもらおうと公民館などを使って行っていました。
地元のコミュニティ雑誌に広告を掲載して、参加者を募りました。
就職活動中の学生さん、会社の管理職の方などに交じって、83歳の女性が参加していました。
セミナーに参加したきっかけは、「シニアクラブの仲間内の人間関係をスムーズにしたくて」と明確な目標をお持ちでした。
見た目が10歳以上は若く見え、話し方はとてもハキハキしていました。
室内を歩いている姿勢もキビキビしていました。
セミナー中もとても意欲的に参加され、疑問点は遠慮せず質問してきました。
思わず「積極的ですね」と声をかけると、「私が頑張らなければ・・・」とシニアクラブの現状を語っておられました。
お話を要約すると、最近シニアクラブのメンバーにわがままな人が多くなり会としてまとまりがなくなってしまったとのこと。
そこで、自分がリーダーシップを発揮して皆をまとめようと思いセミナーに参加したとおっしゃっていました。
家族からは「そんなに頑張らなくても」と日ごろから言われていたそうです。
それでも、地域のシニアクラブのために今の自分に出来ることをしたかったと熱く語ってくれました。
そんな積極的な姿勢に感化されセミナーに参加していた他のメンバーも勇気をもらっていました。
休憩中の雑談の中で、年齢のことが話題になりました。
ここでも「もう83歳なんていわないわよ」と言うと、立て続けに「まだ83歳なのよ」と真顔でおっしゃっていました。
人生100年時代に突入した現代です。
目指す目標が明確だと、年齢・性別は関係ありません。
何を生きがいにして毎日の生活を楽しんでいくか、考え直しても良いのかもしれません。
「もう」ではなく「まだ」深い言葉でした。
