とある宿泊研修施設での出来事です。

 

大きな施設のため、複数の団体がそれぞれ社内講師による研修や外部講師を招聘しての研修を行っていました。

 

施設のルールで朝と夕方に集会があり、原則として利用者は全員参加が義務付けられていました。

 

朝は国旗掲揚と国歌斉唱から始まります。

 

たまたま同じフロアで研修をしていたある集団が、集会の中で団体紹介のスピーチをしました。

 

聞くと大手の通信関係の営業系の研修の様でした。

 

そのスピーチの中で「営業社員である前に人間力を磨きに来ました」と元気よく話していました。

 

5日間の合宿研修の最終日とのことでした。

 

他団体ではありましたが、スピーチの元気の良さには研修講師としては大いに共感できました。

 

元々、同じフロアで研修をしていたので休憩中にリフレッシュルームで顔を合わせる機会もありました。

 

いつも大きな声で元気よく挨拶してくれました。

 

しかし、食堂でのマナーや細かな行動面がとても気になりました。

 

本質を見誤っているようにも感じられました。

 

事務局の方の接し方を見ると、講師の方は外部の教育機関の方の様でした。

 

一言でいうと、横柄。

 

受講者の方々は文字通り必死の形相でしたが何かが違っていました。

 

本当に細かな事なのですが、食堂に入るとき手洗い場で手を洗います。

 

我々の研修グループはハンカチで手を拭いてから食堂に入ります。

 

その団体は、全員を確認したわけではありませんが手を洗ったらハンカチで拭かずにそのまま食堂に入室していました。

 

従って、ドアの取っ手はビショビショです。

 

営業社員なら、周りに配慮することや次の人のことを考えた行動を取るべきなのにそのような行動はありませんでした。

 

食事中もおかわりやお茶を汲みに行く時、口の中に食べ物があるのに口を動かしながら歩いていました。

 

しかも、自分の椅子はテーブルの下にしまわずに出しっ放しのままでした。

 

人間力を磨きに来たとのことでしたが、何を磨いたのか疑問が残りました。

 

 

ここで、禅寺でのとんち問答です。

 

住職 「あなたは何をしにこの寺に来ましたか」

若者 「はい、人間力を磨きに来ました」

住職 「では、私が磨きましょう。ここにあなたの人間  

              力を出してください」

若者 「・・・」

住職 「出来もしないことをいうものではありません」

若者 「ハイ」

住職 「しかし、歯を磨くこと。爪を磨くこと。自分の部

              屋を磨くこと。身近にある磨けるものから磨きま

               しょう。」

 

このやり取りは人間力を磨く本質を教えてくれています。

 

世間では日産のカルロスゴーン会長の逮捕の報道がされています。

 

経営者として日産を立て直した凄い経営手腕の持ち主です。

 

しかし、何が欠けていたのでしょうか。

 

いつの時代も人間力を磨くことは大切です。