皆様お元気ですか。ユマニテ会のゆにっちです。ニコニコ

夏休みも終わり9月になりましたね。皆さんも夏を満喫されましたでしょうか??ヒマワリ

 

私も短い夏をちょっと満喫しましたよ~まだまだ暑い日は続きますが暑さに負けず過ごしてまりましょうね。

 

以前の講義の中からご紹介します。

9月からも頑張っていきますので、よろしくお願いしますね。

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最後は、王安石の『仲永を傷む』を学びました。

【金谿の方仲永の家は代々小作農であり、文具さえ無かったが、仲永は5才のとき突然泣いて筆と紙を欲しがった。父親は不思議に思いながらも、近所から借りてきて与えた。すると仲永は、すぐに詩を書き、署名した。詩の内容は父母に孝養を尽くし一族の世話をするというものだった。村の知識人もその詩を高く評価した。村人は、これを珍しいことだと思って、父親を客として招いて、仲永に詩を書いてもらって、お金や絹を渡した。父親は、これはお金になると思って、毎日村人の家を連れまわって、学問させることをしなかった。私(王安石)はこの話をずっと以前から聞いていた。仲永に会ったとき、もう12、3才になっていて、詩を作らせてみたが、以前の評判には遠く及ばなかった。それから7年経って仲永のことを聞いたら、「目立たないただの人になっちゃったよ」ということだった。

私は思う。仲永は天才である。だから、通常の才能ある人よりずっと賢かった。なのに、ついにただの人になってしまったのは、人から教育を受けなかったからだ。ましてや、天才ならぬ凡人が、人から教育を受けなければ、凡人にさえなれないだろう。】

王安石は、無学文盲の小作農の家に生まれた仲永が、5才のとき突然、詩の天才を発揮し人々を驚かせたが、父親が、彼に学問させなかったため、20才の時には、ただの人になってしまったという事実を挙げ、天才でさえ、教育を受けなければ、ただの人になってしまうのだ、ましてや、ただの人が、教育を受けなければ、ただの人にさえなれないだろうと言って、教育を受けることの大切さを強調しています。

 

結局、この父親は天才の息子の芽を摘んじゃったんですね。一般に、親や先生が子供の芽を摘んでしまうことは珍しくありません。別にね、子供の芽を摘もうなんて親も先生も思っていません。だけど摘んじゃうのは、何故だろう。それは、親や先生が既成の知識、既成の道徳に縛られているからなの。

例えばね、よく男の子ですぐオモチャ壊しちゃう子がいるでしょ。すると、お母さんが「オモチャ壊しちゃいけません!」と叱るでしょう。既成の道徳に縛られているんですよ。オモチャ壊す子は、オモチャの中がどんな仕掛けになっているのか知りたいんですよ。そういう子はだいたい理系で、将来、機械工学へ進んで立派な仕事をするかもしれません。

私の父は魚病学という学問を初めて打ち立てた男なんだけど、東大在学中、教授に「魚の病気を研究したい。」と言ったら、「魚の病気なんか学問になるか!」と怒鳴られたそうです。教授は自分の既成の知識で学生を指導したわけだけど、それが学生の芽を摘むことになるかもしれなかったのです。父はそれに反抗して研究を続けその道で一流になりましたが。

次は、私の次男の話です。彼は、小学生のとき、直流を交流に変えるんだと頑張っていた。私の電気の知識では、交流を直流に変えるのは簡単だが、直流を交流に変えるのは、小学生の考える方法では出来るはずないと思われた。だから、「そんなこと出来ないよ。」と言った。だけど彼は、私の言うことを聞かず2年間考え続けたあげく、とうとう、「出来た!」と私のところに設計図を持ってきました。見て、私は驚いた、「こりゃ、出来るかもしれないね。じゃあ一緒に作ろう。」というわけで、一緒に完成させて、シンクロスコープで測定してみたら、ちゃんと交流が出ていました。

私自身は、子どもの芽を摘んだりは決してしないと自信を持っていたけど、私もやっぱり芽を摘むところだったんだね。私の持っていた電気の知識が災いしたのだ。幸い、彼は反抗したから、芽を摘まれずにすんだけど。

総じて、既成の知識、既成の道徳が若い人の芽を摘むのだ。それに反抗し、闘って、自分の持つ能力を爆発させる者だけが新しい文化を生むのだ。

その次男には1歳で半田ゴテの使い方、2歳で電気ドリルの使い方を教えました。電気ドリルを、ちいちゃい子が使うとドリルの刃がひっかかったとき、自分が回ってしまうんだ。面白いよ。また、たいていの親だったら火傷を心配して、半田ゴテいけませんと言うよね。私は死ななきゃいいと思っているから何でもやらせたんだけど、それでもやはり子どもを押さえつけ、その結果、芽を摘むようなことやってたんだね。

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子供たちがのびのびと善い大人になってくれること願います。

 

9月のユマニテ会は9月8日木曜日です。

皆様のご参加お待ちしております。