みなさんこんばんは 3月に入りましたね。ユマニテ会のゆにっちです。
先週の金曜日はユマニテ会でした。
今回はバートランドラッセルの哲学より「結婚」の講義から
ご紹介します。
=========================
イギリスの貴族階級は贅沢やってるだけでなく筋がとおっている。
1215年マグナカルタ (憲法のようなもの) 王は議会の承認を得なければならない。
貴族階級は時に、王に対し、人民のためにならないと反抗も反逆もしてきた。
1649年清教徒革命 チャールズ1世は王権神授説に基づいて圧政をしていた。
クロムウェル率いる鉄騎隊がチャールズ1世を処刑した。
王の首を切ったのは歴史的にこれが最初でしょう。
王政を廃止して共和制を行い、腐敗と堕落のイギリスを目覚めさせ、民主主義の基礎を築いた。
クロムウェルの死後 王政復古 チャールズ二世の時代がくる。
王政復古後、これに反逆したのがラッセルの祖先達である。
戦って戦士した。これをラッセル家では誇りにしてきた。
ラッセルは小さい頃に父母を無くし、祖母に教育を受けた。
私たち貴族階級は、王が人民の幸せを忘れて勝手なことをしたら、王と戦うんだよ!
それが私たちの義務なのだ!と教えてきた。
ラッセルという人は
★高い知性 ★広い教養 ★柔軟な精神 ★あたたかな愛情 の持ち主で、
我々が、いかに偏見にとらわれているか、ものの考え方が画一的かということを思い知らされる。
先生曰く、→私はそれを(偏見や凝り方まった考え方)崩したいのです!!!
何度かご紹介しましたが、ラッセルは46歳の時に第一次世界大戦に反対し投獄され
78歳でノーベル文学賞
1954年アメリカが水爆実験をすると、82歳で核兵器反対運動 これでまた逮捕される。
では本題に入ります。ラッセルの哲学より「結婚」(Nov. 13th, 1931)
出典は「人生についての断章」より
本がなければ、バートランドラッセルのポータルサイトより 「アメリカンエッセー」に
http://www005.upp.so-net.ne.jp/russell/MARRIAGE.HTM
あるタクシードライバーの話
「お客さんは、バートランドラッセルさんですよね。
私が知識欲に燃えていた時に先生のお話を聞きにいきました。・・・・・
「今じゃ女房をもらって、ただの人になってしまいましたよ」
このタクシーの運転手さんのその言葉、ここから掘り下げて考えていく。
些細なことから、それを深くほり下げていこうとする。これが哲学をする際の現実的な良い方法です。
ずっとみのがしてしまう、聞き逃してしまうことにも、ちょっとまてよ、と吟味して考えていく。
人格の完成であるべき結婚 ←ラッセルの信念
言い換えれば「人間性の向上の実現」といったほうがいいだろうか
その結婚が なぜ裏目にでるのか、
その理由は経済的問題と社会的風習
①社会的風習 夫と妻が週末を一緒に余暇を過ごすべきだという慣習
日本でもよき慣習とおもわれているかもしれない。でも80年前にラッセルは関心できないといっている。
お互いに相手が自分をさしおいて、何かをしに行くことに嫉妬し、
その結果自分も行きたいことを我慢する。
自分の快楽を利己的に追い求めることよりも、他人の快楽に反対することの方がはるかに良くない。
旦那はしたいことして、奥さんにはしたいことさせないという人も戦前には沢山いた。現在も少なくないだろう。
夫婦間にはある程度の社会的距離が必要 それによって話題も増える。
残業などによって、強制的に社会的距離を持たされる場合は除くが、、、
②経済的問題
独身時代は20万の給料のうち10万を毎月好きな車に使う。それが結婚したら、
「あなた軽自動車にしなさい」といわれたりする。
独身の人のように自分の為に自由にお金を使えない。
知的な女性といわれる人は結婚したらさらに男性以上にこの種の損失を感じる。
故に夫も妻も結婚を疎ましく思うある種の感情が生まれる。
~~~~~~~~~~~~
結婚したらただの人になっちゃうという不幸は、子供の教育に知的に積極的にかかわることによって
その弊害を逃れることができる。
しかし子供の養育に真剣になれば、よほど真剣に勉強しなければならない。
もちろんほっておいても育つが、人間であれば知性豊かに、健康に育てたいと思えば、
よほどの勉強を親がしていかなければならない。その努力はきりがない。
その努力の中で本当の勉強をしていくのであると思う。
そういう実地の勉強をする中で自分も高められていく。
子供の人生をじっとみて、自分の人生を復習し、自分も育っていく。それが本当の学問。
ただの人になるのも自由 そうじゃなくハイレベルになっていくのも自由。
子供養育にかかる損失 でも子供の教育に本気で取り組むことで、その損失にあまりあるものを得られる。
先生が過去の子供との対応において後悔している事があるが、その中より1例を・・・・
息子2人の子供がちっちゃいときにオルゴールを作らせた。
オルゴールもって写真とろうとした。お兄さんがぐずぐずしてた。急がせた。「早くしなさい!」
「ちょっとまって今スイッチいれるから」といったのに、音は写真にうつらないからといって急がせた。
悪気はないのに、知らずに子供の芽をつむことは沢山ある。
テレビなどの健康についての情報など、もともとは学者が研究したものをマスコミが発表している場合、
もともとは学者が研究した結果に基づいているが、
それを引き出す時にマスコミが極端な形で引き出している
真理は常ににじんでいる。スパッとこうだ!と言えない。
そういう自分でもよほど気をつけていないといけない。
だからみんなが知的階級になる必要があるのだ。
また子供の養育について、愛情も大事だけど知識もとても大事です。
==============================
本当にまたまた楽しい考えさせられるお話でした。
次回のユマニテ会は3月23日金曜です。
先生より次回のメニュー
哲学的発想法を身につけてもらうために再度ラッセルを扱います。
徒然草の面白さをもっと知っていただくために第11段
時間があったらミノタウルス関連のお話と中国古典より「武を超える義の話」
です。
次回もお楽しみに
初めての方も大歓迎ですので、お気軽においで下さい。
お問合せはhumanite@live.jp
まで