約3分の短縮

 

2021年3月18日に北海道新幹線について報道がありました。

 

国土交通省は18日、大型連休中の5月3日から6日までの4日間、北海道新幹線の青函トンネル内での最高速度を現行の160キロから210キロに上げて走らせると発表した。営業運転での高速走行は年末年始に続き2回目。現行より約3分短縮でき、東京―新函館北斗間を3時間54分で結ぶ。長期休暇中は貨物列車の運行が少ないため、高速走行へ向けて実績を積む。

 

※地図はWikipediaより引用

 

【解説】なぜトンネル内で160キロに減速していたかと言えば、それは列車同士がすれ違うときの風圧が原因です。貨物列車と共同で使用する青函トンネルには、新幹線だけでなく、貨物列車も走っています。新幹線が高速で走行すると、その貨物列車に大きな風圧かかり危険なため、本当はもっと高速で走行できるのにわざわざ減速しているのです。

 北海道にお住まいでない方のためにさらに補足しておくと、新函館北斗駅から札幌駅までは在来線、しかも多くの区間が非電化なので、ディーゼルエンジンの特急列車が走っています。3時間半くらいかかります。車だと292.4km(高速道路)の距離で、4時間近くかかります。

 

・・・と聞いたら、「青函トンネルの中だけ高速化してもあまり意味が無いのでは」と思われるでしょう。私もそう思います。

 

3分ですよ! 3分!

 

高速走行で生み出された3分は、一体どう使われるのでしょう。在来線に乗り換えるのに、ちょっとトイレに寄ってしまえば過ぎてしまうような時間ですよ、3分って。

関係者に言わせれば、約3分短縮することが、この先の高速走行の実績づくりに役立つのだ〜と仰りたいのでしょうけれど、3分短縮するのは、そこじゃぁないでしょうって思うのは私だけではないと思います。

 

例えば、札幌市民ならわかるでしょう、高速道路を降りてからの一般道での中心部への移動時間の長さ。南区民はもっと悲惨です。高速道路のインターチェンジに到着するまでに札幌市内の一般道を冬なら1時間以上は走ることになります。

そんな道路状況で、ノロノロと走らざるを得ない救急車とすれちがうこともあります。あれじゃ、あと3分早ければ助かるかもしれない命も、助かる確率が下がります。

 

 160キロの走行速度を210キロにすることによって、どれだけの電力消費量が多くなるのかは分かりませんが、50キロも速くなるのですから、素人考えでは結構な電気を使うのではないかと勘ぐってしまいます。その電力って、何から作ってるの?電気代はどうするの?

 もちろん、210キロというのは平均速度ではなく、最高速度のことでしょうから、それほど電気の消費量は増えないのかもしれません。でも、約3分の短縮をしたいのなら、東京から新函館北斗までに停車する駅の停車時間を短くすればよいのでは?とか、停車駅を減らせば?とか、そもそも東京を出発してからの巡航速度を10キロ

速くすればいんでないの?考えてしまうのです。

 

要は、距離に対する平均速度が劇的に変わらない限り、一部区間だけを速く走行しても大して意味は無いのです。高速道路の追い越しをしていく車をみるとわかります。あんなにすっ飛ばしていったのに、ETCゲートで追いついてしまうことってありませんか?それと同じことです。

 

北海道新幹線は以前から不要と考えてきた私だったら、

 

札幌と新千歳空港駅のアクセスを約3分短縮した

 

っていう方が、よっぽどお客様目線に立っていると思うのですが、いかがでしょう。
30年が経過した青函トンネルの話は、こちらのサイトをご覧ください。

 

 

札幌と新千歳空港駅のアクセスって、結構長く感じるはずです。JRの快速エアポートでも40分近くかかります。もし札幌市営地下鉄がゴムタイヤ方式ではなく、JRの電車と同じ車輪方式だったら、そのまま相互乗り入れも出来たのに、地下鉄に乗るのなら新札幌駅で乗り換えが必要です。だから、バスで移動する方法もあるのですが、やはり高速道路を降りてからの渋滞があります。札幌って、高速道路が中心部には走っていない街なんです。

そして、さらに問題なのは、札幌からその先の街への移動なんです。北海道って、札幌を起点に考えると、1日で往復できない街がたくさんあります。北海道って想像以上に移動時間がかかります。私なんか、大学を卒業するまで日高山脈の向こう、十勝、釧路、根室方面へは行ったことが無かったですから。

 

約3分の短縮が必要なのは交通網の話しだけではありません。

私も含む、授業中の説明やあいさつの長さです。

 

先生の式辞や朝礼のお話、約3分の短縮

 

こんな見出しが出たらビックリするけど、コレやってみる価値はありますよ!

相当言葉選びに苦労しますが、きっと心に伝わるコピーのような文章が出来上がります。

 

年度末と年度初めを迎えました
新幹線の時短もいいけれど、私たちの話の時短も始めてみませんか〜

 

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