ある日を境に、母に対して抑えきれない怒りを感じるように
なった私は、その怒りを母にぶつけました。
12年前の事です。
それまでの私は、特に父が亡くなってから、母が可哀想に思え、
意識的に母の支えになろうとしていたところがあったと思います。
父が亡くなった時、妹はまだ小学3年生でしたし、
父親似だった私は、自分が父の代わりをしなければと、
母に対して、過剰な擁護の気持ちを持ったように思います。
ですので、
母にとっては、自分にとても優しかった娘が突然豹変し、
自分を攻撃して来るようになったのですから、
そのショックは計り知れない程大きなものだったと思います。
電話で母を責めたてた、その日の夜、
母と同居していた、その頃学生だった妹から電話が
かかって来ました。
「お母さんが「虚しい」と言って、出て行っちゃった・・」
それを聞いた私の中には、何とも言えない重苦しく、苦い
とても複雑な感情が渦巻いていました。
母を傷つけてしまったという強い罪悪感に襲われながらも、
それでも母を責めたてる気持ちが治まっていたわけでは
ありませんでした。
少なくとも、その時に起きていた事が、「良い事である」などとは
到底思えませんでした。
「怒り」「言い争い」・・・それは絶対的に「悪い事である」という、
その時の私の「信念」が、
それを、
「最悪の出来事である!」と意味付けて、
更に一層、重苦しい気持ちに自らハマリ込んで行きました。
ですが、12年後の「今の自分」から見れば、
あの出来事がなければ、
母と何の衝突もなく、それまでの自分と同じ毎日を選び
続けていたら・・
現在の母の、
以前とは全く違う元気な姿は決して見られなかった
と思えるのです。
そして、私は、この時以降も、
その最中には「最悪!」と感じられて、
実は「本当の幸せ」へ至る為に必要なステップであったと・・、
後になって気が付く体験を、何度もする事になりました。