(前回からの続きです)
このブログの最初の方にも書きましたが
十数年前のある日、
自分の幼い頃の体験に意識を向けた事で、
それまで、私自身の中にずっと存在していながら、
はっきりと自覚する事が出来ずにいた
「重苦しい感覚」と、その理由に気が付く事が出来ました。
その後、書籍などで、
その時に自分が行った事は、
「退行催眠」と呼ばれる
催眠療法の一種である心理療法と、とても良く似たもので
ある事が分かりました。
とても長い間、心に苦しさを抱えていたので、
何とか楽になりたい一心で、心についての様々な本は
読んでいましたので、
幼少時の体験と向き合う必要があるのではないかという事は
私の頭のどこかでは分かっていたように思います。
ですが、先のブログにも書きましたように、
私は無意識にも、ずっとそれを避けて来たのでした。
ですが、
「催眠」という観点は全くなかったので、
初めてそれを目にした時は、
何故今まで目に入らなかったのだろうと、
とても不思議な思いでしたが、
今になってみれば、
そのタイミングで知る必要があったように思えています。
とにかく、
幼少時のその体験に意識を向けたその日まで、
どんなに本を読んでも、考え方を変えて前向きになろうとしても
、私の心の苦しさは決して晴れる事がなく、
意思の力ではどうにもならなかったのですから、
潜在意識にアプローチにする事の有効性を身を持って
実感し、
「自分が行った事は何だったのか?」
「それを行った事によって、自分の内側にどのような
変化が起きたのか?」
などという事について、
もっと深く理解したいという要求が大きくなっていましたので、
「催眠療法」に、私はとてつもない大きな興味を覚えたのでした。
催眠というと、
多くの方は、
かつてよくテレビなどで放映されていた「催眠ショー」などを
思い浮かべられるのではないでしょうか。
その印象から、
催眠の 「暗示」 の部分が誇張されてしまい、
催眠をかけられた人は、
「自分の意識を失って、相手の意のままに操られてしまう」
という風に感じた事と思います。
そして、何やらとっても「怪しげ」で
「非日常」で、とても「特殊な世界」であるように感じたのでは
ないでしょうか。
かつての私も正にその通りでして、
催眠について詳しく知るまでは、
それをとても、不思議で怪しげで、
自分には全く関係のない世界としてとらえていたと思います。
しかし、催眠について詳しく知るに連れ、
その考え方は全く変わって行きました。
催眠で行う「暗示」の部分よりも、
普段我々が気が付けない、
我々の無意識・潜在意識の中に存在する過去の記憶や、
抑圧している思考や感情にダイレクトにアプローチ出来る
ツールとして、
催眠がとても有用なものだという事が分かって来たのです。
そのやり方は、簡単に言ってしまえば、
「自分に聞いてみる」というものです。
催眠についての詳しい事は、
また次回以降、別のテーマでお伝えさせて頂きたいと
思っていますが、
病気や症状の原因を探りたいとき、
催眠状態で、自分の潜在意識にアプローチするという
やり方があります。
それについて、
私自身、アトピーの症状が悪化した時の事を例に
お伝えさせて頂きたいと思います。
前回に書きましたように、
病気や症状が、その人のどのような心理状態を表わしているか
を説明した本などを参考にするようになった私でしたが、
3度目のアトピー悪化の時には、それらの本を手にして
いましたので、
アトピーについての説明を何度も読み返しました。
1度目、2度目の悪化の時にも、その都度、
その時、自分がどのような心の状態であったかについて、
気付きを得られ、そこをクリアして症状が自然に消えて
行った実感がありましたので、
この3度目の悪化の時には、
まだ自分の中には
自分で気が付けていない、苦しみを生み出す思考が
居座り続けているのかと・・
そこに根深さと、終わりのないような果てしなさを感じてしまい、
心の部分に取り組み続けて行く事に、
息切れしそうな思いにもかられましたが、
それでも、
私の中にある、人間の身体の治る力を信じる気持ちは、それに
負けずとても強く、
・・そうは言っても、常に前向きな気持ちを保っている状態とは
程遠かったですが、
何とか・・本当に何とか、そこに目を向け続けて行きました。
本に書かれたアトピー、皮膚のトラブルについての
説明を読むと、
「傷つきやすさ」
「他人から攻撃されていると感じている」
という事が書いてありました。
この感覚については、
確かに私自身の中に存在しているという自覚がありました。
それどころか、
この3度目の悪化の時には、
その思いで一杯になってどうしようもなく苦しくなっている
状態でした。
ですので、分かっているのだけど、
、この苦しい思考から抜けられない。
という思いでした。
ですが、
本当ならば、その本に書かれているワークなど、
自分を癒す手法などをやってみればいいのですが、
文章は頭では理解出来ても、
それを自分の腑に落とす事が出来ない・・
そんな状態だったと思います。
そして、余りに全身の痛みがひどいとき、
自己催眠で、自分に聞いてみようと
思いました。
リラックスして、催眠状態になり、
その皮膚の痛み、感覚に
意識をフォーカスして、
そこから浮かんで来るイメージや言葉を
待ちました。
そうすると、
「まるで硫酸をかけられたような感覚・・」
という言葉が湧いて来ました。
そして次に浮かんで来たのは、
「相手が硫酸をかけてきても、タテを使って自分を守ればいいの
だけれど・・」
「自分が悪いのだから、自分を守ってはいけない。
硫酸をかれられるがままでいなければならない」
という言葉が浮かんで来ました。
それで、私は気がづく事が出来ました。
私は、アトピーが悪化する時、
近しい人との人間関係で、あるパターンをくり返している事に
気付くようになっていました。
アトピーが悪化するときはいつも、
「相手が自分に怒りを持っているのではないか?」という
恐れが膨れ上がっていました。
その恐れがなく悪化した事はありませんでした。
相手に怒りを表現された事もあれば、
きっと怒っているだろうと、私が思っただけの事もありましたが、
そのような思いにずっととらわれていると、辛さが増して来て、
それが、今度は相手への怒りにもなって行きました。
そうやって、
「自分が悪いか、相手が悪いか」という堂々巡りをしていたのですが、
そのような考え方を続けていて、解決する事もなければ、
心の平安からは遠ざかって行くばかりでした。
私は、そのような「どっちか正しいか間違っているか?」
というような考え方そのものからも、自由になっていかなくては
なりませんでした。
その時までにあった私の考え方は、
「私が間違っていたのなら、
私が悪いのなら、私は責めを受けなければならない」
というものだったと思います。
それは、「罰を受ける」という考え方に近い感覚かもしれません。
ですが、
この自己催眠で浮かんで来た、私の奥底にあった言葉・・
「自分が悪いのだから、自分を守ってはいけない。
硫酸をかれられるがままでいなければならない」
を感じた時には、
それを客観的にとらえて、
「硫酸をかけられたら、かからないように自分を守っても
いいのではないか」
と思ったのです。
たとえ、自分が間違っていても、
自分が悪くても、
自分を守っていいのではないか?・・と思えたのでした。
それは、初めて自分の中に生まれた考え方であったように
思います。
そして、そのように思えたとき、
自分の中にとてもホッとするような感覚・・安心感が
広がって行きました。
3度目の悪化は、この時の気づきが大きなきかっけとなって、
更なる自己理解のステップを重ねると共に
自然治癒に向かったように、自分では感じています。
この時の自己催眠に至る前に、
本で読んだ事が、自分を誘導して行く上での
大きな手がかりとなり、とても役に立ったと感じています。
(↑催眠について初めての方には、次回以降、もっと分かり易い
説明をさせて頂きたいと思います)
このような、自分の「からだ」に聞いてみる事については、
またテーマを変えて次回以降、また色々お伝えさせて
頂きたいと思います。
